開けられない窓

昨日から土砂降りの雨。
いよいよ梅雨本番というところでしょうが、降り方が極端。
昔はいつまでもシトシトと降ってたようなイメージがあるのですが、どうも最近のはスコールのような極端さが情緒がありません。

さて、早朝に冷気が残り、日中は陽射しが強い時は、朝の換気と遮光が有効であるとお伝えしました。
でも梅雨時はどうでしょう?
朝方でも20度を越え、今朝は22度。
しかも土砂降りです。
こんな日は窓も開けられず、我慢するかエアコンや除湿機のお世話にならざるを得ない?

話は変わりますが、我が家の趣味はキャンプです。
キャンプは自然が相手ですから、晴れた日ばかりとは限りません。
限られた休日に雨男の私ですから、むしろ雨のほうが多いかもしれない。
最近のキャンパーは晴れ前提の装備が多いようで、雨が降るとムシムシするテントの中でじっと我慢したり、公共の炊事場を特定のグループで占拠したり。
お金があればタープテント、そこまでいかなくてもタープ一枚でまるで天国になるんですがね。
要は雨を防いで、通風を確保する。
これだけで雨の日のキャンプ場は快適なプライベート空間になるのですよ。

さて話を家に戻しましょう。
雨が降っても外気温がそれほど高くないのなら、キャンプと一緒で通風を確保することで快適な環境にすることが出来ます。
雨は雨漏りをしない立派な屋根がありますから、大丈夫。
しかし、通風を確保する為に窓を開けることが出来ない。
最近の家は庇をデザインすることが少なくなりました。
窓が木からアルミへ変わり、対候性が向上したというのも理由かもしれませんが、設計者の意識の中に庇がダサいみたいな感覚があるのかもしれません。
確かに外壁に取って付けた様な庇があるとすっきりとしたデザインにはなりませんね。
でも窓は機能をデザインしなければいけません。
見た目だけで決めるようでは、設計者の力量がその程度ということになるでしょう。

我が家の窓は基本がダブルハング(上げ下げ)窓です。日本で一般的な引き違い窓を横にしたようなものですが、横を縦にするだけで機能はすばらしく向上します。

我が家の屋根の出は一般的な家よりも深めにデザインされています。
今日のような雨の日はダブルハングの上部を開けると、余程暴風雨で無い限り、深い庇により雨の進入は防げ、通風を確保することが可能。

2階の窓は、すべての部屋の窓の上部を開放するだけで、かなり快適な環境を保つことが出来ますね。

台所は滑り出し窓。
これも余程、巻き上げられない限り、雨の進入はありません。
(この窓もちゃんと内側に羽目殺しの網戸が付いているから立派)

1階は出入りのための開口部が多いのですが、こちらも建築的なデザインで雨の進入を防ぎます。

我が家で一番大きな開口といえば、ウッドデッキへの引き戸です。
ここはご覧の通り、外壁ラインよりも引き込んだ形でデザインしていますので、デッキ出入り口上部には2階が乗っている状態になり、結果として庇の機能になります。

和室もカーポートを取り付けたおかげで土砂降りの日でも全開出来る。

こちらはカーポートを取り付けるまでは、雨の日は開けることが出来ませんでした。
下屋になっていますので、すぐ上には屋根が張り出しているのですが、掃き出し窓だとさすがに辛い。
昔ながらの欄間が有効だったと反省していた所です。

10時現在、外気温はそれ程上がらず23.1度で、窓全開の我が家は室内24.0度。
ほとんどタープ下のキャンプサイトのような快適さ。

たかが窓、されど窓。
窓も生活体験の乏しい設計者では、その機能を十分発揮出来ないのです。

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