減アンペアとガスコンロの復活

東北電力でも9月から電気料金の大幅な値上げが実施されました。
これにより50A契約の平均的な家庭の電気料金は8%程度の値上げとなります。
月額で8%となると1年(12ヶ月)では96%、つまりほぼ一か月分の値上げという事です。
これに消費税が掛かってくるわけですから、もう1カ月はタダ働きみたいなもの。
これは家計への負担が大きい。

原発事故以来露呈した電気行政には憤りを感じてきました。
その尻拭いを利用者に負担させるというのにはさすがに付いていけません。
そこで良い機会なので買電という事について、設計事務所として考察することにします。

電気料金というのは非常に変わった料金体系を持っております。
一般的にはたくさん使うお客には値段を下げてくれるものですが、電気は逆でたくさん使うほど料金が上がっていきます。
しかし、その特殊性は一般消費者にだけ適応していて、企業のような大口に対しては便宜を図っているといういやらしさ。
取れるところからはしっかりとってやろうという姿勢はまさに政府の税制と一緒で、いかに天下りの受け入れ先になっているのかが判りますね。

東北電力の9月に行われた大幅値上げですが、基本料金は変更せず、電気量料金だけをいじっています。
一般的な従量電灯B契約ですが、

最初の120kWhまでは1kWh16円95銭が17円73銭と約1円の値上げ
120kWhをこえ300kWhまでは22円70銭が24円18銭と1.5円の値上げ
300kWhをこえると24円31銭が27円95銭と3.6円の値上げとなっています。

つまり300kWh以上を買電しないことが重要という事になりそうです。
月300kWhというと1日10kWh、1時間当たり400Whの消費量となります。
40Wの電球を10個付けたらお終いですね。
これはかなりハードルが高い。
パソコン立ち上げれば100Wくらい行っちゃうし、冷蔵庫なんかもありますしね、今更電子レンジを使わない生活も考えられない。
時間あたりの平均を400Whに抑えるためにはいかに待機電力を落とし、大きな電力を消費しないかに掛かってきます。

そこで家の電気器具のリストラを行うことにしました。
照明器具のLED化。
水害の際に導入したIHヒーターですが、これをガスコンロに変更。
エアコン、冷蔵庫の買い替えなどなど。

今回は照明器具とガスコンロ、それに伴う減アンペアを実施して1カ月経過しましたのでその報告をしたいと思います。

IH

まだ全然もとが取れていないIH、交換するためには下のオーブンも一緒に交換しないといけない。
gas

で、今回導入したのはハーマンの+doという硬派なコンロです。
最近流行のガラストップはどうも心が惹かれない。
ガラストップから突き出た五徳はどうしても邪魔です。
IHのように完全フラットなら鍋の取り回しも楽ですが、ガスのガラストップはそれも出来ない。
いっそ全面五徳のほうが良いだろうと探してみるとリンナイのドロップインコンロとハーマンのこれしかありませんでした。
個人的にはリンナイでしたが、オーブンを取り付けられないという事でまったく選択する状況ではありませんでした。

久しぶりにガス...良いですね。
料理がイベントになる感じ。
以前はガスコンロを使っていても電気炊飯器でしたが、今回は専用の炊飯釜を使ってガスで炊きます。タイマーこそありませんが、全自動で炊き上げてくれてすこぶる美味しい。
超高い電気炊飯器も美味しいのでしょうが、電気って所詮、火を模倣しているだけだなぁと感じてしまうほど炎で炊いたご飯は美味しいですね。

嬉しくて1カ月使いまくり、前年同月のガス使用量と比べて12㎥増えました。
我が家は家庭用コージェネ契約なので88.66円/㎥と単価が安く、ガス代超過分は1,000円。
それに対して電気料金ですが、前年同月比34kWh減って、950円削減、それに契約アンペアを50Aから30Aにして基本料金が600円ほど下がっていますので、1,550円コストダウンを果たしました。

差額は550円マイナスで、これはちょうど今回の値上げ分と同じくらいの金額になりますから、まずは目標達成という事になるのかな?
もちろんイニシャルコストを考えたら全然駄目ですけどね。

そこは電力会社の尻拭いなどしないという心の満足だけなので、わざわざ取り替えはお勧めしません。
しかし、新築やリフォームをちょうどお考えのようなら一考する価値はあるのではないでしょうか?

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