掃除が楽な家

広告にこんなのを見つけた。
地元の工務店が出したものだ。
掃除が楽とはどういう意味だろうと思ったら、要は汚れにくいビニール系の素材だらけの家ということらしい。
汚れにくいかもしれないが、掃除をしなければ埃は積もるだろう。
まあ、子育て世代の若い夫婦への訴求をしている訳だ。
住宅の広告にはこの手のが多い。
メンテナンスフリーの家はそんなに素敵な家なのだろうか?
私はどちらかというと素材をそのまま使いたい方なので、それなりにメンテナンスは必要だ。
でも手をかけただけ愛着はわいてくる。
「綺麗より美しい」
これは当事務所の基本理念だ。
綺麗なものはそのときが最高で、やがて汚くなっていく。
ビニール素材はそのさいたるものだ。
しかし美しいものは年を重ねてより美しさを増す。
もちろん美しさを維持するにはそれなりの努力も必要だ。
日本の使い捨て住宅と欧米の100年経ってより資産価値を高める住宅の違いである。
私の設計する家には真鍮が良く使われるが、これは新しいうちは金色に輝いて美しいが、やがて酸化して茶色く濁ってしまう。
金属研磨剤で磨いてやるとまた美しさが蘇る。
この酸化して濁ってしまう時が住宅のメンテナンスのタイミングだ。
大体年2回くらいだろうか?
この時期に床材のワックス掛けやら窓磨き、塗装の手直し、網戸の付けはずしを行うと丁度良い。
車のワックス掛けと一緒で、傷んだ場所も見つけることができ、補修のタイミングを逃さない。
そんな手間をかけるほど暇ではないと言われるのだろうか?
しかし子育てはもっと大変だ。
なんにも構わないで立派な大人になってくれれば良いが、TVゲームに子育てを任せているととんでもないことになる。
家のメンテナンスも生活の一部と認識して、子供とその時間を共有するのも結構楽しいものだ。
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