やっぱりコルビジェ

昨年のカップマルタン、ユニテに続いて今回はパリ郊外のサヴォア邸を10年ぶりに訪れた。
サヴォア邸はまったく色あせていなかった。 
中に入ると建築の学生だろうか?一生懸命スケッチをしていた。
スケッチは建築の一番良いエクササイズだ。
写真を撮りまくっても映像は頭に残らない。
しかし、鉛筆で絵を描く作業はそのもののディティールを観察しなければならない。
その過程で頭を使うのでしっかり頭に焼き付けることが出来るのだ。
とは言うものの、私たちにはそんなに時間も無く、やっぱりデジカメで一通り撮影した後、2階のリビングのスケッチをした。
それにしても我が息子の夏樹は3歳にしてコルビジェの作品を3つも体験した。
まあ、子供は親の期待を裏切るものと相場は決まっているが、それでも建築に興味を持ってくれればと思うのは親ばかか。
サヴォア邸の帰りにラ・ディファンスに立ち寄る。
ラ・ディファンスはいわゆる新都心として計画された。
象徴的な建物は新凱旋門。
凱旋門といっても真ん中をくりぬいたオフィスビルだ。
エトワールの凱旋門とコンコルド広場を貫くシャンゼリゼ大通りを延長した先にそれはある。
新凱旋門の最上階は凱旋門と同じく展望台があり、透明なチューブの中をこれまた透明なエレベーターで昇るのだが、なんとも殺伐としている。
コルビジェを見た後にラ・ディファンスに来るとなんともつまらない。
まったくワクワクしないのだ。
近未来的なビルが立ち並ぶ新しいパリに違和感を感じる。
さいたま新都心みたいな感じと言ったら良いのか?
多分、旧市街では収まりきれなくなったパリの経済のためには新都心は必要なのだろうが、結局のところ、パリを訪れる人はそれを求めていない。
やはり旧市街の町並みの中にしっかり生活が継続している美しさが興味の対象なのだ。
それに比べラ・ディファンスは近郊から電車で通う日本的な感じがなんともつまらないのだろう。
広場ではクリスマス市が開催されていたが、去年訪れたマルセイユのそれとはまったく異質で感動もなかった。
この日がパリでの最後の日となる。
そこでギャラリーラファイエットに行く。
外部の電飾やウィンドーもすばらしかったが、内部の吹き抜けが見事だ。
まさにオペラ座を髣髴とさせる天井に巨大なクリスマスツリーが豪華である。
さて、明日は早朝チェックアウトして昼にはウィーンに到着する。
オーストリアは始めての訪問なので期待も大きい。
ただ、最初の国は余裕が無いので、結局観光で終わるのだろう。
では朝が早いので今宵は寝る事にします。
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