バウハウス・デッサウ展(新津美術館)

9月13日から10月19日 新潟市新津美術館において「バウハウス・デッサウ展」が開催される。
アーキテクト(建築家)という言葉はアート(芸術)とテクノロジー(技術)を合わせた造語だが、この芸術と技術の融合を目指したのがバウハウスである。
19世紀末にイギリスで始まるアーツ・アンド・クラフツ運動はフランスでは新芸術(アールヌーボー)、ドイツにおいてユーゲント・シュティールと言う具合に欧州を駆け巡る。
20世紀初頭、ドイツ工作連盟が結成され、近代社会にふさわしい芸術と産業の統一を目指した。
そうした活動の中ワイマールにおいて総合芸術の学校としてバウハウスは開校し、その後デッサウに地を移す。
バウハウス初代校長は建築家グロビウスで、私もワイマール校は10数年前に訪れたことがある。
ワイマールの気候は多湿で日本海側に近いイメージだ。
ワイマールのバウハウス校舎はユーゲント・シュティールの初期を感じさせるもので鉄とガラスという新しい素材を使いモダンなデザインと伝統が混ざって興味深い建物だった。
その後、工業都市デッサウに校舎を移すが、バウハウス・デッサウはグロビウスのモダニズム建築の集大成と言えるもので、その姿はあまりにも有名で、世界中の建築に多大な影響を及ぼした。
マイヤー、ミース・ファン・デル・ローエと第一線の建築家が校長を歴任するが、1933年、ナチスにより廃校に追い込まれる。
その間わずか14年の活動であったが、世界のモダニズム建築への影響力は計り知れない。
私のヨーロッパ行脚がまさにワイマールのバウハウスを訪問したときから始まった。
翌年にはデッサウ、ベルリンとバウハウス詣でを3年続け、ほぼ現存する建築はこの目で見てきた。
考えてみるとこのバウハウス詣でにより、建築はまず思想が先行しなければいけないことを学んだし、独立して事務所を構えるきっかけにもなった。
また写真ではなくオリジナルを見ることがいかに価値があるものかも知った。
私にとってもその影響は大きいのだ。
そのバウハウス展が新潟で開催される。
今回の展示はデッサウ校8年の歴史の展示だそうだ。
建築を志す者は当然、そうでない人もぜひ一度訪れてはどうだろう?
楽しい建築視察旅行のきっかけになるかもしれない。
初日はオープニング記念講演会「世界遺産バウハウス・デッサウ-その建築、コンセプト、未来」(講師・キルステン・バウマン氏=バウハウス・デッサウ財団副館長)が行われる。
私は当然行きますよ!
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