中秋の名月

昨日、9月14日は中秋だった。
早くも秋も暦の上では中盤ということだ。
残暑も終わり、これから山々は紅葉で色づき、やがて冬を迎える。
昨日は新潟で終日、一級建築士設計製図の授業を行ってきた。
二級はちょうど製図試験で、学校は緊張感を漲らせた学生で溢れていた。
一級の受講者もあと一ヶ月で試験ということもあり、二級の学生が試験会場に向かうのを神妙に眺めていた。
一級講座も昨日で前半のカリキュラムは終わり、次週からいよいよ応用編である。
エスキスの基礎が出来ていない者は到底着いていけないだろうし、作図力が現段階でついていないものも後半で大きく差が出てくるだろう。
講義では様々な事を教えるが、所詮、本人が頑張らなければ講師に出来ることなど僅かだ。
試験に奇跡は無いのである。
夕方になると二級の受験者が帰ってきた。
問題を見せてもらったが、今年の問題文はやたら文字数が多く、一級のそれのようだった。
問題文が多いと言うことはそれだけヒントが多いという事でもある。
読解力があればむしろ簡単だと思うが、学生たちの雰囲気では大分荒れた試験になったようだ。
二級試験で一級を占うことは出来ないが、要求されている建物自体が大したことがない分、問題でひねりがあるのかもしれない。
試験だけは毎年、ふたを開けてみないとわからない。
いずれにせよ読解力は重要だ。
授業が終わるのは夕方6時半。
あたりはすっかり暗くなっていた。
妻の実家では稲刈りということで、妻と夏樹は土曜日から実家に手伝いに行っている。
私は授業やら溜まった仕事で稲刈りは手伝えないが、それでも夕食を一緒にとるために学校から妻の実家に向かった。
山に向かうにつれ、ススキが目立ってきた。
月明かりに照らされて美しい。
中秋の名月である。
ススキの反対側の田んぼでは稲刈りを待つように、稲穂がゆらゆらと揺れていた。
こちらも月の明かりで風の通ったあとの陰影が風流だ。
月明かりだけでこれだけ美しいのに、今通り過ぎてきた街の灯りのなんと無粋なことだろう。
カテゴリー: つぶやき, 建築士フォーラム パーマリンク

コメントを残す