世界の車窓から

昨日はプラハを経ち、チェコ鉄道の国際列車 SC(スーパーシティ)でウィーンに移動した。

モスクワで失った一日を取り戻すべくチェスキー・クロムフを経由してウィーンに入る計画も練ってみたが、それではウィーン到着が夜の8時になってしまう。

ここ数日の私たちの行動パターンからすると、すでに就寝の時間だ。

それに朝、夏樹が微熱だったのも気になった。

そこで冒険心を抑え、確実なプランとした。

SCが出発するのはホレショビツェ駅、プラハの郊外である。

私たちのアパートから地下鉄C線で一本だ。

町全体が中世からの成り立ちの為、高速鉄道網の駅はどうしても郊外に追いやられる。

日本のように駅がまとまっていないので若干慣れも必要だが、メトロやトラムといった他の交通機関が接続しているため、支障はない。

私たちのプラハ滞在は土曜・日曜で、一国の首都のわりに観光スポット以外に人は少ないなと感じていたが、月曜日の朝、アパートから見下ろしたらすごい渋滞と人だ。

みんな郊外に住んでいて、仕事に来るのだろうか?

さて、スーパーシティは全席指定のため、指定席の予約が必要だ。

チケット窓口で周遊券を見せ、時刻表を示して指定席を予約した。

時間まではSC専用のラウンジで過ごせる。

このラウンジはSC利用者だけではなく、幼児を連れた人や身障者も使え、懐が広い。

列車はオープンサロンで、私たちの席は向かい合わせ4人掛けだ。

通路を挟み、向かい合わせ二人席がある一列3席の構成である。

椅子も通路も広く、ちゃんとテーブルもあって便利だ。

私たちの車両はハンディキャップ席があるので、トイレも車椅子対応となっている。

他の車両では自転車を搭載する場所があったり、ビュッフェも着いている。

日本とは違い、時間になると無音でするすると出発する。

4時間の鉄道の旅は快適だ。

流れる車窓を眺めながらビールを飲む。まさに世界の車窓からだ。

車窓からはヨーロッパ大陸の丘陵が広がっている。

移動としては飛行機よりも断然に良いね。

飛行機なんて飛ぶときと降りるとき以外は何にも無い。

それにチェックインやら空港までの移動を考えたら時間は大して変わらない。

欧州鉄道の旅は新境地だ。

これはハマリます。

また新しいヨーロッパを発見した。

これでヨーロッパの公共交通機関はあとは船を残すのみである。

夏の気候の良い頃にバルト海なんかを船の旅なんて良いかも。

さて、ウィーンには2時半に到着。

プラハの寂れた感じとは一転して、きれいで活気がある。

私たちのウィーンでの宿は到着した南駅の真ん前だ。

時間は若干早かったが、チェックインを済ませ、部屋に入った。

旅行社手配の安ツアーの三ツ星とは違う。

星一つ増えるだけでこうも違うんでしょうか?

私たちの部屋は夏樹も感動するぐらい広くてきれいだ。

荷物を整理して、さっそく街に繰り出す。

リングまでは駅前のトラムD線で一本。

交通の便はすこぶる良い。

ウィーンは一年ぶりだが、すでに勝手知ったる街で、まったく自由に動ける。

昨日までの緊張感が一気に解きほぐされる。

この日は聖母無垢受胎の日ということで、いっそう街が華やいでいた。

街全体がクリスマスモード一色で、やはりウィーンのクリスマスが一番好きだ。

天気が良いせいか、去年よりも華やいだ感じがする。

市庁舎前のクリスマスマーケットは相変わらずきれいだ。

さっそく目当てのオレンジポンシュを飲む。

旨い!この味だ。

ガーリック風味の揚げたせんべいみたいなのを食べながらマーケットを楽しんだ。

夏樹はトーマスの風船を買ってもらい大満足。

トーマスはここでも人気のようで、子供たちがその風船を指差して、トーマスと口ずさみ、親にねだっている。

昨日までの受難のご褒美のようなウィーンの夜だった。

さて、今日は念願のザルツブルグの旅です。

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