婚活

今日の午前、先日引き渡した住宅のクライアントが事務所を訪ねてきた時のこと。
家が単なる住む為の箱ではなく、家での生活が子供の教育にもなるよねって話になりました。
良いデザインの家は豊かな感性を育みますし、心理的影響だって及ぼします。
昔の間取りは床の間のあるパブリックな部分と居間などプライベートな部分の仕切りがはっきりしていました。
私が幼少期住んでいた家はまさにそんな感じで、床の間で遊んでいると親に怒られたものです。
それが新しい家になったら、どこの空間もプライベート。
公と私の区別が無い。
昔の家のほうが道徳的な教育も出来ていたような気がします。
さて、今日来てくれたクライアントはケアマネージャーをされています。
以前、彼の担当の住宅改修でトイレの改修をしたのですが、トイレを新しくしたら今まで寄り付かなかった孫が遊びに来るようになったと喜ばれたそうです。
トイレの改修はもちろん身体的に和式便器が使えなくなったことに伴って洋式便器に替えた訳ですが、今までのトイレは下が丸見えのトイレで街育ちの子供には不気味でした。
それが簡易水洗式の洋式トイレになったので、それなら自分の家と同じということで怖くはありません。
孫が怖くなければ子供夫婦も実家に帰ってきますから、その担当していたお年寄りの精神的安堵感は計り知れないものだったでしょう。
建築することが及ぼす影響は様々なのです。
 
そんな話をしながら思い出したのですが、私が依頼を受けて設計した建売住宅を40代の男性が展示会に来ていきなり買ってくれました。
彼は独身でしたが、この先いつまでも一人でアパートも辛いからせめてデザイナー系の家でシングルライフを満喫したいと思ったそうです。
その住宅を雑誌が取材したいということでしばらくぶりに訪問したら、随分若い女性が居ます。
家主はうれしそうに実は結婚したんだと紹介してくれました。
なんと20代の花嫁をゲットしたのですが、嘘か誠か家の話をしたら、そんな家に住みたいと言ってくれたのだそうです。
もちろん彼の魅力が一番だったのはもちろんですが、どちらかといえば控えめな彼に、建売とは言っても工務店がコンセプトモデル的に作ったデザインハウスですから、もしかしたら何らかの影響は与えたのかもしれません。
最近、婚活というのが流行っているらしいのですが、家を直したり建てたりするのも一種の結婚活動になるのかもしれませんね。
設計は単なる箱の設計図ではありません。
良いデザインはさまざまな影響をもたらすものなのです。
さあ、婚活中の皆様、どうぞ当事務所をご利用ください。
カテゴリー: つぶやき パーマリンク

コメントを残す