お互い様

少子化と高齢化はなかなか共存できないようです。
出生率の少なくなった子供達は核家族の中で育っている子が多く、また高齢者も単世帯化が進んでいます。
昔みたいに大家族だとそれでもお互い認め合い、許しあいながら生活出来るのでしょうが、若い世帯と高齢者世帯が分離した環境ではうまくいきません。
中途半端な住宅地である我家の周辺は狭い敷地で結構ギスギスした生活を強いられますが、妻の実家のある田舎でも最近は同じようです。
お盆は散らばっている家族が集まり、毎年恒例のBBQ大会を行っています。
今年も同じように行いました。
私の家とは違い、お隣は随分遠くにあります。
妻の実家は妻を筆頭に4姉妹。
順番に結婚し、子供も生まれていますので、最近はかなり賑やかです。
わんぱく盛りですから、おじいちゃんに花火をせがみます。
街とは違い、回りは田んぼで上げ放題。
子供だけでは決して上げることが出来ない花火もおじいちゃんと一緒なら大丈夫。
俄然 テンションがあがります。
ところが今年も花火を始めたら、そうそうに引き上げてきました。
まだいっぱい残っているのにどうしたのかと聞くと、自治会長が来て止めるように言われたとのこと。
自治会長の家に苦情が行ったらしい。
町内と言ってもまちばの町内とは違います。
遠くから歩いて来る会長さんも大変です。
時間はようやく9時ぐらい。まあ、そろそろ音の出る花火は潮時ではありましたが、それにしてもこんな田舎なのに随分キビシイ。
お義母さんに聞くと、この家の周辺は子供が居ないとのこと。
妻や義妹達と同じような歳の独身の倅と年老いた親のみという過疎地にありがちな家族構成なんだそうです。
妻が子供の頃は同じような子供達が町内にいっぱい居て、それこそ騒がしいのもお互い様でしたが、最近では騒がしいのは我家だけ。
あとはお盆でもひっそりとしたものです。
今では「お互い様」も成り立たない田舎。少子化は「お互い様」にも影響を与えているのかも知れません。
 
「お互い様」といえば、高齢化が進んで最近は田んぼの仕事が出来ず、人に任せる家が多くなってきました。
義父はそうした家の田んぼも借りて精力的に農家をしているほうですが、周辺には名前だけの農家も増えてきました。
田植えを終えて誰も通らない道端で田植え機を洗っていたら、駐在が飛んできて道路ではやらないでくれと言われましたね。
まあ、こんなこと言いたくは無いんだけど、苦情が着たからしょうがないと駐在も言っていましたが、たしかに歩道を潰して洗車はまずい。
それにしても誰一人通らない田舎道、いけないことをしていることを棚に上げてなんですが、随分こまかい事を言ってきます。
ちょっと離れればこの時期、田んぼをやっている家では当たり前の風景ですが、田んぼをやめちゃった人には関係ない。
「お互い様」はお互いに迷惑をかけていないと成り立ちません。
こちらは高齢化が影響している「お互い様」ですね。
 
もう「お互い様」も死語に成りつつあるのかもしれません。
カテゴリー: つぶやき パーマリンク

コメントを残す