下水の再利用

水が無限に使える無償の資源であると思う人はさすがに少なくなってきた。
飲み水や料理に使う水は今まで通りの上水道のものを使っても、トイレを流したり、庭木や洗車に使うのはもったいない。
そこで使用済みの上水をそのまま下水に流すのではなく、浄化した後中水として利用できないかと建築業界では考えられている。
実際に行おうとすると、その中水の品質管理や配管設備の関係でなかなか難しく一般的にはまだ広まっていない。
今、出来る事といったら節水型の便器を使うとか、雨水をタンクに溜めて、それを洗車や庭木に使うというのが現実的である。
ところが人間たちのこうした亀のような歩みの鈍さをあざ笑うように自然が逆襲を始めた。
ゴアの「不都合な事実」はショッキングだった。
しかし、現実に温暖化は進み、南半球では干ばつに喘いでいる。
オーストラリア北東部クインズランド州政府は28日、下水を飲料用にリサイクル処理した水を同州の一部で2008年から使用すると発表した。
いかに処理をしても下水である。心理的には耐えられないが、それほど余裕が無く、このままの状態では同州の水源は09年には枯渇する予測だ。
日本も他人事ではない。
今年の暖冬で山での降雪もずいぶん少ない。
雪は水資源の備蓄の役割も果たしているので、それが少ないと言う事は夏に水が無くなると言うことだ。
それなりに雨が降らなければ日本だって干ばつになる可能性は高い。
イメージではなく危機管理としてのエコを真剣に考える時期が来ている。
カテゴリー: 建築 パーマリンク

コメントを残す