標準化

今日は今まで知り合いの工務店の社長がやってきていろいろな話をして過ごした。
その社長は昨日、仙台のある工務店を訪ねてきたのだという。
その工務店は自社内に地震体験や風圧体験できるモデル展示場を持っていて、お客に体験させるのだそうだ。
普通(?)の家と自社の家ではどれほど地震や風に対する強度が違うのかという体験だ。
お客はみな驚き納得し、おかげで営業成績は良いという。
また、地震で変形しても気密が損なわれないようにパッキンを組み込んだパネルを工場で標準化しているのだという。
工務店の社長はいたく感動していたようだ。
しかし、気になったのはお客に恐怖を植え付ける営業手法だ。
地震を体験するのは貴重だが、だから他の家と違い、私どもの家はすばらしいと刷り込むのは嫌らしい。
地震や風圧に対する構造計算はまじめなところはやっている。
それを不正に行った設計者がクローズアップされたに過ぎない。
恐怖 を植えつけて、その恐怖が覚めない間に相対的に自社物件の安全性を植えつける手法はどうなのだろう?
まあ、その手のやり方はシロアリ業者や耐震リフォーム業者などと変わらないように見える。
また、自社でパネルを作成し標準化するというのも工務店の社長の心をくすぐったようだが、どうなのか?
かつて様々な標準化がなされてきたが定着しているのを見たことが無い。
それは各社が勝手に規格をつくって、それを標準化と嘯くからだ。
その会社の標準化なんて、その会社がつぶれてしまえばただの特殊工法になってしまう。
それではメンテナンスも出来ないし、コストもかかってしまうだろう。
 
建築業界ほどイメージだけで成り立つものは無い。
天然素材、断熱、蓄熱、ゼロエネルギー、差別化という名のもとにいろいろなノウハウがあるが、フランチャイズにはなってもなかなかオープンにはならない。
このフィルムはNASAの開発で熱を遮断するんですよ。
なんか過ごそうに聞こえるが、熱って何を示すの?と問いかけると答えられない。
熱にもいろいろあるんだよ。
それも言えないで魔法のフィルムを消費者に売り歩く建設業。
まあ、勉強しなくてもやっていけるこの業界だから、いろいろな業種が参入してくるのだろう。
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