家庭用コージェネレーション

私たちが使っているエネルギーには無駄が多い。
たった一人しか乗らない自動車に2リッターのエンジンは無駄である。
だから市内くらいは天気が良かったら自転車で走り回ることにした。これは一人力だ。
郊外でも125ccのスクーターだ。(ナンバーは取得した。保険も自賠責も入ったので実働可能である)
さて、家の中はどうだろう。
わたしたちの家の設備の多くは電力に頼っている。
その電気は大手電力会社から購入しているわけだが、電力会社では発電プラントでさまざまな1次エネルギーから発電している。それを送電線で各家庭に送るのだが、その際の送電ロスは距離にもよるが平均5%ほどだ。また、1次エネルギーから電気という2次エネルギーへの変換率はたったの40%。つまりわたしたちの家庭に届いた段階では1次エネルギーのたった38%に留まるのである。のこりは熱として海や空気中に放熱されたり、放電してしまっている。なんとも勿体ない話だ。
発電の際に出る熱を給湯や暖房に利用できないかというシステムがコージェネレーションである。
工場や大規模商業施設ではこのシステムが実用化されており、自分の建物で自家発電し、その際の熱を建物内で消費している。
自己完結なので送電ロスも無いし、災害時にも影響を受けにくいとされている。
電力需要が一日の間で変動するのも厄介だ。
大型プラントでは簡単に停めることが出来ないので、夜の電力需要が少なくなったときも無駄に発電を続けている。
有効な蓄電技術が無く、その電気は使うことなく放電されてしまうのだが、棄てるくらいなら激安で売ろうというのが深夜電力だ。
オール電化住宅はこうした安価な電力を使い一日分のお湯を作り、熱を蓄えるシステムだが、必要なお湯の量や熱量は毎日変動するのでその計画が立てにくい。
少なめに設定すると足りなくなったとき、昼間の高い電気を買わなければいけなくなり、結局高くつく。
じゃあ多めに設定すると、大抵の日は無駄にお湯を作り、無駄に熱を蓄えるエコから外れたシステムになりかねない。
電力会社の戦略的価格体系に依存した無駄な消費ということだ。
エネルギーは2次より1次で使えたほうが効率は良い。
また使いたいときに必要な量だけ使うというのはエコロジーの基本である。
我が家の暖房システムは現在、灯油ボイラーで家が設定温度より冷えると稼動する。
大抵は朝方ちょっと点いていて、起床時は暖かく気分良く起きられる。
昼間は天候にも寄るが、今時分はほとんど止まっている。
石油という一次エネルギーを利用しているから無駄が無い。
電気の蓄熱なら、必要があろうが無かろうが、2月の一番寒い時期を設定した蓄熱をいくら暖かくても冬季間はし続けなければならない。
エネルギー利用に無駄は無いのだが、石油価格の高騰で灯油も100円/リッターが現実味を帯びてきた。
灯油は70円が価格的にはボーダーで、それ以上になるとガスの方が安くなる。
石油は投機対象なのが困る。それに比べてガスの方が公共性は強いだろう。(もちろん公共性では電気が一番)
石油もガスも化石燃料なので将来的には枯渇する。
だから代替エネルギーが出来るまでのつなぎであることには変わりは無いが、有効な代替エネルギーが存在しないのも現実なのだ。
そこで暖房のための温水ボイラーをガスに換えようかと考え始めた。
温水ボイラーも実は1次エネルギーから温水を取り出す際の効率はそんなに良くない。
2000度の熱でたった70度程度のお湯を作り、残りの熱は空気中に放熱しているのだ。 
この放熱でタービンを回し、発電しなければ罰が当たるだろう。
家庭用コジェネである。
現在、エコウィルという商標で販売している。
ホンダのガスエンジンを搭載し、発電効率は22.5%。
商用プラントには及ばないが、1kwhの発電が可能だ。 
我が家の10月の消費電力は400kwだったが、1日5時間程度の稼動だと150kwは自前でまかなえるわけだ。
その他に廃熱で暖房、給湯を行い、1次エネルギーからの回収効率は77%まで上げることが可能となる。
そして重要なのは無理に深夜時間帯に合わせなくても、お湯が欲しいときは家に人がいるときであるということ。
つまり人が必要とするときにあわせて電力と給湯をまかなうことが出来るのだ。
太陽光発電は人が居ない昼間に発電し、余るから売電。
夜間は電気を買い、深夜に一定量のお湯や熱を蓄える。
まことに複雑だ。
使いたいときに使うというシンプルさが無い。
やはり問題は設置費用。
100万近くかかってしまうので、元を取れそうに無い。
新築なら迷わず入れるのだが、悩みどころである。
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