屋根の有効利用こそ人類を救う

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穀物価格の高騰が気になる。
バイオ燃料、地球温暖化による気候変動、新興国の消費拡大そしてエネルギー価格の高騰
どれをとってもマイナス要因ばかりである。
今年のGW、田植えをやりながら粟ヶ岳を見上げると残雪が日に日に少なくなっていく様子が見えた。
今年は山開きを早めたところも多かったと聞く。
日本の河川環境は世界的に見ると滝のような激流だそうだ。
山からあっという間に海に流れてしまう。
陸に停滞している時間がとても短い。
そんな地形を緑豊かにしてくれているのは四季のおかげだ。
ところが冬の小雪、温暖化による融雪で山での諸水力は著しく下がっている。
北極の氷が半分になるくらいだから、日本の雪が解けてなくなるのは当たり前だろう。
そうなると農作物が心配である。
輸入穀物は価格が高騰しているが、その分国産との価格差が少なくなってくれば日本の農業事情には福音かと思っていたが、日本でも農作物が取れなくなってしまう。
世界的な食糧危機がどうやら現実的なものとなってきたようだ。
 
ところで我が家の屋根菜園は順調である。
間引き収穫でも我が家の需要はほぼ満たしてくれている。
人間一人が必要とする野菜を育てるには3坪の土地が必要だという。
この3坪という面積が面白い。
一般的に4人家族が暮らす都市型住宅の持つ屋根面積は大体20坪前後であろうと思われる。
これを農地に利用できれば十分一家で食べる野菜は自給出来る事になる。
我が家のカーポートはほぼ4坪程度で現在13個のプランターで野菜を育てているが、面積的にはわずか0.5坪にも満たないこの実験農園でも食卓を緑で彩るには十分な収穫が出来ている。
昨日、営業マンが遊びに来て「カレーライスを作れる野菜が取れたら完璧ですね」と言って帰った。
なるほど、我が家には葱類が足りないようだと再認識。
今月中にはこの折半屋根にデッキ材を敷き込み、もう少し作業性と快適性を向上させる予定だ。
そうしたらもう少しプランターを増やすとしよう。
今後は雨水を貯める桝も設置し、水遣りに利用したいと考えている。
上手くいけば今後の当設計事務所の作る住宅には基本的にこうした設備は練りこまれていくことになるだろう。
雪による貯水が怪しくなってきた今、頼るは雨水である。
屋根は野菜を育て、雨水の収集機となってくれる。
近い将来来るであろう食糧危機を救えるのはこうした屋根利用による家庭菜園に間違いない。
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