母校愛

私の出身校(高校)が今年創立百周年を迎えます。
私が卒業してからもう30年も経ってしまいました。
純真だったあの頃(今がそうではないとは言っていません)、とても懐かしいです。
あの頃の学び舎はもうありません。
もともと女子高だった母校は桜の名所で戦後はGHQの官舎として使われた木造の素敵な校舎でした。
当時の富裕層が自分達の娘の学び舎を作ろうと寄付して出来た。
あの校舎には学府としての顔があったように思えます。
建築を業とする今、改めて考えても良い環境でした。
やはり学府にはそれなりの顔が必要です。
昔の建築はとても気合が入っていた。
現在の校舎は街の真ん中から移転し、郊外にコンクリート校舎。
このコンクリート校舎には何の顔も見えない。
建築がまったく力を注いでいない、典型的な公共建築です。
あんな校舎では心太の様に毎年同じような顔をした子供が押し出されているだけのような気がします。
先生もすっかりサラリーマン化してしまい、骨のある先生は居ませんね。
 
6年位前から同窓会に参加させていただいていますが、とても楽しかった。
それはきっとあの木造校舎という共有の場を持っていたからなのかもしれませんね。
今回、百周年の実行委員会に参加していますが、同窓会のような楽しさが一切ありません。
自分の息子を母校に入れたいという気持ちがまったく持てないどころか、他人の芝生は良く見えるの逆じゃありませんが、母校の教育者を目の当たりにしてむしろわが子を送り込みたくない。
私の母校愛は旧校舎が取り壊されたときに終わっていたのかもしれません。
今はその残像にお付き合いしているだけです。
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