拠点づくりばかり一生懸命になるな・・・点と線の話

最近の三条市は拠点づくりが大好き。
何かの拠点を作って、そこに人を呼び込もうって考えらしいけど、そういうのってどうなんですかね?
いつも福祉住環境整備の話をさせていただく時に持ち出すテーマが「点ではなく線で考える」。
住環境整備はピンポイントで考えても生活動線をしっかり見極めないと結局は使えないし、自立も出来ないという話です。
これ実は都市計画にも言える話なんです。

多大なる税金や交付金(こちらも税金)をかけて拠点となるハコモノを作っても住民がそこに至る動線計画がされていなければ単なるイベント会場にしかなりません。
人が集まれば地域経済が発展するなんてのも絵に描いた餅。
郊外から車で来た人たちは用事が済めばそそくさと退散するだけですよ。
街の動線計画は徒歩や公共交通機関で考えないと失敗します。

しかし公共交通機関ですが、こちらは規模がそれなりに集約して無ければ採算性が合わずに単なる税金の垂れ流しになってしまいます。
地方都市では徒歩+α位でデザインすることが重要でしょう。

さて、私の住む三条市ですが、典型的な失敗を繰り返している。
無節操な合併と合併債目当てのハコモノ建築。
やらなければいけない線のデザインをまるでやろうとしない。
それを正当化させるためにオンデマンド交通とか試していますが、先に述べたとおりこちらも税金の垂れ流しです。
まずやらなければいけないのは集約ではないでしょうか?
シャッター街に補助金つけて何かを無理やりやらせなくても、居住地を真ん中に集約してやれば必要にまかせて商店や生活サービスの需要が生まれます。

これは三条ばかりでは無いでしょうが、郊外にアパートの戸建てみたいな資産価値の無い住宅がどんどん建てられています。
これでは住宅地としての資産価値も落ちるだけ。
いっそ、街の真ん中に立派な市営アパートを建てて、低家賃で貸してはどうでしょう?
建築家とコラボして、住環境として水準の高い市営アパートです。
既存の貧乏くさいコンクリートの箱じゃなくて。
そこには子育て世帯や高齢単世帯を優先して入居させる。
商店街や保育園、医院が歩いていけるいわゆる小学校区程度ですね。
言うなれば、昔の街並みの再生です。
土地は市役所が借り上げれば良いでしょう。
どうせ皆んな持て余しているけど、売れば税金かかっちゃうから更地のままの土地がいくらでもあるでしょう。

実際、こうした公共アパートで成功したヨーロッパの都市は山ほどあります。
しかも住環境レベルを上げてやる事で犯罪も激減させた。

この話は10年以上前の都市マスタープラン作成の際に提案しましたが、誰も聞いてくれませんでしたね。

現在我が街では小学校統廃合(三条では小中一貫一体校って呼ぶんだっけ?)による小学校区の解体が住民不在の中で進行中。
中心市街地再開発事業も頓挫し、商業ビルは壊され更地となりました。
そんな中で相変わらず拠(点)づくりは一生懸命。

遠く離れた小学校へはスクールバスによるピストン輸送するっていうのだけど、私に言わせたら本末転倒な話です。

街づくりしたかったら派手なイベントばかりに一生懸命になっていないで、街に集約して住むという事をテーマに都市計画行政しないとダメなんだってば。
どうせ今回も誰も聞いちゃくれないんだろうけどね。

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