小さな手

我が家の息子は予定より1ヶ月早く世の中に出てきてしまったため、体重は2400gでぎりぎり保育器を免れた。よその子と比べると本当に小さく、退院の日に生まれた子供よりも小さいくらいだった。
そんなわが子を生後間もないのに連れまわし、最初の年末年始は病院で過ごすこととなった。
小さな赤ちゃんの点滴を挿した姿は痛々しく、私たち夫婦は心を痛め、反省した。
最初の正月を迎えようといろいろ企てていた実家のひんしゅくは言うまでも無い。
しかしそれ以降、健康そのもので6ヶ月の検診では同じ月齢の子供と比べて大きい方になった。
病気らしいものは全然しなかったので、とても楽な子だ。
突発性発疹も熱こそ出たが、発疹そのものは大したことなく3日程度で終えた。
ちょうど母親の休暇中だったので、私もそれ程何をしたということはない。
それが24日の朝、子供の体がやたら熱い。
本人はいたって元気だが、どうも動作が緩慢だった。
ウンチもちょっと緩いし、こりゃ風邪でもひいたかと、午後から小児科に連れて行った。
ちょっと喉が腫れているということで、そこからくる熱ではないかとのこと。
我が家は全館暖房なのだが、冬場は乾燥するため、大人でも喉をやられがちだ。
洗濯物を部屋の中に干したり、加湿器を置いたりして薬を飲ませてその日は寝かしつけた。
翌25日は大学の単位認定試験を受ける為、一日新潟に行かなければならなかった。
(実は放送大学の講義を妻と一緒に受講している。この日は私の受けている建築意匠と地域福祉の試験があった)
朝目覚めた息子ははればれとした感じだったし、額に手をやっても熱くは無かった。
これなら大丈夫と実家に預け、試験のほかにも用事をたして夕方迎えに行った。
そしたらなんだか息子の体が熱い。
母親の話だと、日中は大はしゃぎで食事もしっかりしたし、うんちも悪くは無かったとのこと。
夕方にかけてなんだかぐずり始めて、今に至るそうだ。
時間が遅かったので、前にもらった座薬を入れて様子を見ようと家に連れて帰った。
家に帰って体温を測ったら39度近い。
お茶やジュースを飲ませて水分補給し、座薬を入れ、ひえぴたで冷やしたらだいぶ落ち着いた。
とにかく安静にと思い、横に添い寝する。
小さな手が私の腕を握り締める。
辛いんだろうな。
一眠りして起きたら10時を回っていた。
オムツを替えて、服を着替えさせていたら、めずらしく早く退社できた妻から電話が入った。
状況はメールで教えていたから、さぞ心配になったのだろう。
なにかあったらすぐ病院に連れて行ってねと言われた。
その後、震えたり汗をかいたり、一通りの風邪の症状を訴え、服を着替えさせたり、冷やしたりと忙しかったがなんとか一晩終えた。
今日は朝から小児科に連れて行ったが、インフルエンザがはやっているらしく、午前中いっぱいを医院で過ごした。幸いなことに息子は検査で陰性だったのでただの風邪であろうとのこと。
また薬と座薬をもらって帰ってきた。
どうも昼間は元気なんだな。
今日もようやく寝てくれたので、その合間にこれを書いている。
一晩中、息子は私の居場所をその小さな手で探し続けた。
寝ていてもひとりが不安なのだろう、一生懸命手を動かすのだ。
その手を握ってやると、父親の心にも母性本能がしっかりと実感できた。
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