建築民俗学

昨晩は神楽坂で建築民俗学なる座談会を聞いてきた。
内容はその名の通り、建築から見る民俗学である。
東南アジアの住居は屋根裏が神聖な場所なのだそうだ。
何か祭りごとがあると主がそこに上り、家畜の鳥などをさばくそうだ。
大事なものを屋根裏に置くのは外敵から守るためだろう。
 
ところで最近調査に行くとトタン屋根が増えたと言う。
伝統的なかやぶき屋根は手間がかかる割りに雨が漏ったりする。
ところがトタンなら軽いのに何年もメンテナンスフリーだ。
そこで現地の人も街から一生懸命運んできて家をつくるのだそうだ。
彼らにしてみたら便利な物が出来たら使うのは当たり前のことだ。
しかし、そうして出来た家はなにか見ていてもはりあいが無い。
日本の農村を見るようだ。
 
学者にもいろいろいて、そうしたトタン屋根の風景を見てみぬふりをする。
しかし、昨日の先生はそういうことも含めて民族の歴史なのだと受けとめることにしたそうである。
 
日本の住宅もメンテナンスフリーに走るのは民俗学的には必然ということか。
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