得と徳

昨日、Twitterで「損して徳とれ」と書いたら、教え子が「損して得とれですね。」と応えてきました。
そこで「得」ではあまりに品が無い。「徳」だよと返したのですが、よくよく考えてみるとどっちが正しいのでしょうか?
同じ音の「得」と「徳」。でも今回の漢字は二つとも当用漢字なので、無理やり代用したということでは無さそうです。
同じような諺で、「早起きは三文のとく」というのがあります。
こちらも「得」を充てたら良いのか「徳」を充てたらよいのか微妙なところ。
成語林では「得」が充てられ、広辞苑は「徳」が充てられていますから、辞書のレベルでも混沌としているんですね。
ただ「三文」というのはお金の単位ですから、そうなると「得」のほうが収まりが良いかなぁ。
「三文」も「二束三文」という言葉があるように、「取るに足らない」「わずかな」という意味でも使えます。
それならば「ささやかな徳」という意味でも良さそうな...
どなたか、詳しい人は居ませんか?
ぜひ教えて頂きたい。
 
さて、昨日の「損して徳とれ」ですが、こちらを調べると二宮尊徳の五条講に起因するらしい。
講とは江戸時代の協同組合のようなもので、貧しいものへの資金調達のシステム。
現在の信用組合のようなものでしょうか?
この資金提供を受ける条件が五条であり、信、仁、義、礼、智の五つをもって徳としたとあります。
こうした相互扶助の精神が「損して徳とれ」
しかし、時代の流れの中で、商売指南的にはダイレクトに伝わる「損して得とれ」が一般化したのではないでしょうか?
 
「得」も「徳」も同じような意味ならば、私はあえて「徳」を使うほうが良いかな。
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