説得力の無い見積

現在進行中の物件で業者から見積をとった。
なかなか金額的に余裕のある物件は無いが、それでもやる気があるのならということで声をかけた。
最初に声をかけた業者の見積がなかなか上がってこないので、施主が業を煮やし、別業者からも見積もりを取ることになった。
レスポンスの良い見積提出なら最初の業者に決まっただろうが、レスポンスの悪さから相見積となってしまったのは最初の業者にとって随分不利である。
別業者は一週間で見積を提出すると約束した。
その旨を最初の業者に伝えると、ようやく重い腰上げたのか、同じ日に見積を提出してきた。
予定金額を言ってあったので、両社ともほぼ同じような見積であった。
ところがその内訳が問題だった。
比べると各工種とも最初の業者のほうがやや高い。
しかし、金額は最初の業者のほうが安くなるのだ。
なぜ?と施主と一緒に数字を追っていったら、諸経費でマイナス計上されていた。
値引きならわかるが、諸経費をマイナス計上ということはその会社が持ち出しで仕事をするということか?
営利企業が持ち出しで仕事をするなんてことはあり得ないし、利益を取らない会社が施工後のメンテナンスをしてくれるかも怪しい。
施主からどういうことでしょうかと説明を求められても、何と応えてよいやら。
まったくへたくそな見積である。
どうせ値引きなら各工種で値引きをしておいたらよかろう。
ほぼ同額であるなら、今までの付き合いもあるし最初の業者にしましょうかと話をしていたのに、レスポンスの悪さと説得力の無い見積で発注は次に見積を取った業者に決まった。
薄利とはいえ3千万弱の売り上げを失ったことは、この不景気のご時勢に厳しいだろう。
いつも業者にお願いしているが、変な駆け引きをしないで、透明な金額を計上し、ちゃんと利益も計上するべきである。
そうすれば無駄な駆け引きに時間をかけることも無くなる。
その通りの見積を作ってきてくれた後の業者は、声をかけて僅か2週間で物件をひとつ契約でき、同日、ついでに見積もってと言っておいた別のクライアントの家の増改築工事の仕事も決めて帰った。
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