ワンストップサービス

三条市では市民の市役所利用の利便性向上のために4月の組織改革によりワンストップサービスを実施するのだそうだ。
これにより今まで各部署をたらい回しにされた市民はひとつの窓口でいくつかの部署にまたがる手続きを行うことが出来る。
一昨日、そのシステム導入におけるユニバーサルデザイン関連の懇話会が行われ、参加してきた。
なるほど、ひとつの窓口で総合的に手続きをしてもらえるのはありがたい。
そう思いながら説明を聞いていたら、なんだか発想がずれている。
大きな銀行や郵便局のように、市民はまず必要な書類を書いた後、タッチパネルによる発券機で番号の書かれた紙を受け取るのだそうだ。
そして電光掲示板の指示通り、15ある窓口のいずれかに呼ばれる。
そこに座ればあとはカウンターの向こうが手続きごとに入れ替わってくれるらしい。
それを称して総合窓口と呼んでいるが、担当者が全ての手続きを行えないので何人かで対応する。
結局、市民が動く代わりに担当者が動くだけだ。
ということになれば総合窓口になっても掛かる時間は変わりない。
むしろ一箇所で時間を多く必要とすることになる。
そのキャパはたったの15人だ。
それ以上の市民への対応は出来ない。
また、複数の手続きならばそれでも良いかもしれないが、ひとつの手続きで済む市民はむしろ待たされる可能性が高い。
いちいち番号札を発券するのも面倒くさい。
その際にどういう用件かも選択しなければならない。
年寄りや障碍を持つ人は使えない可能性が高いためにフロアマネージャーという案内役の職員も配置するのだそうだ。
銀行のATMで機械を使えない年寄りにいちいち使い方を説明している女子行員、その後ろに長蛇の列という風景が浮かんでしまう。
福祉サービスも同じように総合窓口を設置するが、そちらのキャパはなんとたったの3人。
これだけでどうやって対応するのか?
また職員そのもののスキルは変わらないので、同じ用件で15人の市民が来たとしても、担当職員の数しか対応できず、待っている客はいるが空いている窓口に案内されることも無く、見た感じの不満は大きくなるだろう。
市民サービスのなんたるかをまったく理解していない。
そんなシステムや設備をする必要も無く、どこに行っても親切に対応してくれるだけで良い。
もう少しマンパワー、スキルアップをまずするべきである。
しかも導入はすでに予算も議会を12月に通過し、機材は発注済みの段階で形ばかりの市民参画というのは馬鹿にしている。
貴重な時間を半日も使い、くだらない計画を事実上承認させられたようなものだ。
昨日、友人の市会議員と飲んだら、この計画の予算はなんと1500万円だそうだ。
くだらない電光掲示板と番号発券機と足りないのが見えているカウンターに借金だらけの三条市にしては大盤振る舞いだ。
なんで議会を通過させたと問い詰めたら、その段階では内容がわからなかったと釈明するが、それでは議会としても機能していない。
大体、小さな支所ではもともと全てが総合窓口として機能しているではないか?
今からでも遅くないからワンストップサービスはストップしてほしい。
カテゴリー: つぶやき パーマリンク

コメントを残す