学校林

昨晩、母校の百周年記念事業の打合せが行われた。
百周年は3年後だが、募金活動は今年末ぐらいから行わなければならない。
その告知はこの春出版の同窓会会報でしなければならないだろう。
 
私は記念事業の事業係に所属している。
いわゆる寄贈品の選定が任務だ。
寄贈品はその規模により募金目標金額が大きく変わることから重要である。
寄贈品の選定にあたり、在校生および教職員にアンケートを行った。
 
県立高校ということで潤沢にお金があるわけでなく、図書館の机や椅子が老朽化したので新しいのが欲しいとか、グランドにトイレや水道が欲しいといった要望が挙げられた。
OBとしてそうした切なる願いは聞いてあげたい。
しかし、そうした要望のほとんどがいわゆる備品である。
10周年くらいならいざ知らず、一世紀を祝うものとして備品の補充ではあまりに情けない。
 
そこで係で集まり協議を行った。
私たちの決めた提案は物ではなく教育の場を提供すること。
生徒玄関の奥には中庭が広がり、その先がグランドになっている。
大した整備もされていないその庭は今は単なるグランドへの通路だ。
なんの文化も感じられない空間である。
この環境を整備したいと考えた。
まずは植林を行う。
地元の原生林だ。
ここに失われつつある本来の環境を再現する。
ビオトープなんかを学生を巻き込んで造ったら面白いだろう。
ビオトープには水に酸素を与えるために傾斜が必要だが、それはグランド側に学生の希望でもあった部室を造ることにしよう。
その建物の屋根を緑化し、そのまま中庭へ繋げることにより小山を作り上げる。
屋根緑化は部室の夏のクーリング効果を体感できるであろう。
また、水は雨水を利用することとする。
屋根緑化への散水は太陽光発電で賄えば良い。
放射冷却を利用した冷蔵庫なんてのを設置するのも面白いだろう。
アイデアはいくらでも湧いてくる。
それを在校生たちと課外授業の形で実現できたら面白いのだろう。
 
今年は構想、来年は資金集めと課外授業、百周年の年には施工とその発表なんてのはどうだろう?
作る過程で学生たちが学ぶことは多いだろう。
また出来上がった学校林は学生生活に潤いを与えてくれると思う。
 
昨日の会議で概略は承認されたが、委員にその具体的な内容は提示していない。
暇を見つけてプレゼンボードを作ることにしよう。
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