梅雨時の自然換気

最近の家のデザインから庇と欄間サッシがすっかり無くなってしまいました。

ちょっと前の家だとこんな感じの窓が主流だったのですけどね。

和室が多い住宅だと部屋に長押と呼ばれる板が障子の上にぐるりと取り付けられてしまいます。
するとどうしても部屋への採光が取れなかったりするので欄間を取り付けていました。

また窓には必ず小さな庇が取り付けられており、欄間を開けても雨の進入を防いでくれますので、家の通風を考えるととても効率の良い装置でもあります。

ところがイメージ的に野暮ったいとか、洋風に合わないなどの嗜好的な理由からデザイナーが敬遠し、消費者もそれを受け入れていった。欄間の分も加えて大きな開口を作ったほうが開放感はありますからね。

デザインと風土は長い年月を経てつくられてきました。
日本の降雨量や梅雨を考えると庇+欄間はとても良い組み合わせです。
これを何とか生かしたいところ。

さて、我が家ですが、ダブルハング(上げ下げ窓)を多用しています。

ダブルハング窓というと洋風住宅の窓の代名詞みたいなデザインですが、これが案外使い勝手が宜しい。

当地は降雪量の多い地域ですから屋根の庇は少し長めに出しています。

ダブルハングの上部を開けてやると長めの屋根庇のお陰で相当荒れた天気じゃない限りはまず雨が吹き込むことはありません。

晴天時の遮熱対策として窓とカーテンをきっちり閉めましょうと推奨している当事務所ですが、雨が降っていても外気温が低いときは窓は出来るだけ開放したほうが宜しい。

2階のダブルハング窓はしっかり庇+欄間と同じ効果を発揮してくれています。

1階はダメですね。
その代り、ウッドデッキの大型サッシは開放してもピロティのようになっているので大丈夫。
玄関もカーポートのお陰で全開できます。

閉めるときはきっちり閉めて、開けるときは開けられる。
いろんな季節がある日本だからこそ、この辺を曖昧なデザインにしてはいけないのでしょう。

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