大丈夫vs気を付けろ

福島第一原発は未だ予断を許さない状況が続いている。
現在、送電線の作業が進行しているが、冷却装置が作動するまでには暫く時間がかかりそうだし、動いてくれるかも解らない。
被曝を覚悟で現地作業を行ってくれている人達には幾ら感謝しても足りないくらいだ。
願わくは彼らが急激もしくは長期的な健康被害がでないことを願うし、彼らのこれから起こりうる被害には国として誠心誠意尽くして欲しい。

さて、相変わらず政府の定例記者会見やTV地上波各局で、今回の原子力発電所事故への楽観的な報道がされている。
一方、CSの朝日ニュースターの看板番組「ニュースの深層」や特定非営利活動法人 原子力資料情報室(CNIC)ではかなりショッキングな内容とともにこれから起こりうる被害拡大への警告を鳴らしている。

一般の人が見ているメディアで発言している学者達はいわゆる原発推進派で原子力安全基準を設定した側の人達だ。
そしてネット上でしか見れないメディアで発言している人達は実際に原子炉を設計し、その危険性を内部告発してきた人たち。
まるで立ち位置が違うので言っていることも真逆である。

その点、海外メディアは冷静な分析をしている。
そしてその多くは自国への被害がどの程度になるのかというシュミレーションがきちんと為されているような気がする。
それらを読み比べると概ね「気を付けろ」と警告を鳴らしている側のほうが世界の温度に近いのでしょう。

海外の人は自国への避難という手段を持っているが、日本人はここから逃げ出せる人はそうは多くないだろう。
なら不安を煽るよりは開き直りの「大丈夫」のほうが日本人の気質に合うのだろうか。

いずれの情報を採用するかは個人の判断だと思うが、ここへ来てインターネットが使えないと不利益を得る可能性が出てきているのは問題だろう。いわゆるネット難民だ。
私は両方の情報の外にも全国の放射線濃度などの情報もネットを通じて得る事が出来るが、そうじゃない人はただ国や地上波放送からの一方的な情報でしか動くことが出来ないのだ。

私自身は武田邦夫先生のブログが一番中立的なのかなと思っているが、今回のミッションが無事に成功したとしても、現状の放出される放射能量はこれ以上に増えないだけで、依然監視は必要。
この連休中、フランス放射線防護原子力安全研究所のシュミレーションでは我が家のある三条市も原子雲による被曝区域のようだ。

現在、日本在住の自国民への避難勧告は以下の通り。

▽米国

福島第一原発から80キロ圏外への退避勧告

チャーター機で約100人が台湾へ退避

外交官らの家族約600人に退避許可

軍人の家族2万人の国外退去を支援

▽英国

福島第一原発から80キロ圏外への退避勧告

チャーター機を香港まで運航

▽フランス

出国または東京以南への移動求める

政府機で241人がソウルへ退避

エールフランスに増便を指示

▽イタリア

出国または東京とその以北からの退避勧告

特別航空便の運航を検討

▽スイス

被災地と東京・横浜からの一時退避勧告

チャーター機の運航を検討

▽オーストリア

出国または東京・横浜からの退避勧告

▽スペイン

福島第一原発から120キロ圏外への退避勧告

チャーター機を運航

▽ロシア

輸送機を派遣

▽ベルギー

軍用機を派遣

▽チェコ

軍用機で106人が帰国

▽クロアチア

出国または南部への退避勧告

▽オーストラリア

福島第一原発から80キロ圏外への退避勧告

▽ニュージーランド

福島第一原発から80キロ圏外への退避勧告

▽韓国

福島第一原発から80キロ圏外への退避勧告

▽シンガポール

福島第一原発から100キロ圏外への退避勧告

▽フィンランド

東京とその以北からの退避勧告

▽セルビア

出国を勧告

▽イスラエル

東京周辺から西日本などへの退避勧告

▽ドイツ

出国または東京・横浜からの退避勧告

▽台湾

高齢者、子供、女性に出国検討求める

(2011年3月19日08時17分  読売新聞)

 

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