技術の押付け

いろんな人のブログや最近始めたTwitterでの呟きを拝見していると、建築系のそれに目立つのが性能や技術の知識の押付けです。
建築はもちろん技術の集積であり、性能が高いに越した事は無い。
しかし、それだけでは建築は語れません。
性能や技術は建築の一面を見ているのに過ぎないのです。
地震直後のハウスメーカーのCMなどは耐震性能一色で、住み手にいらぬ恐怖を押付けるような内容でした。
住宅版エコポイントの今は温熱性能でしょうか?
私が私の設計の中にそれらを甘く見るような事は決してありませんが、クライアントにそれを強いる事はしません。
クライアントには自分の人生をどう生きたいかだけを考えてもらいたいから。
すばらしい人生の途中で地震のために自宅で亡くなるなんて事があってはならない。
だからニーズとしての耐震性能がある。
家の中の温度差で健康を害したりしてはいけない。
だからニーズとしての温熱環境を作り上げる必要がある。
ただそれだけ。
クライアントには自己実現のための人生のデマンズ(要求)を与えていただければ、私たちプロがニーズをあぶり出し、さりげなく解決してさしあげます。
技術的な話などクライアントに変な知識を植え付けて心配させなくても、「どんな生活しようか?」だけ話し合いたい。
それが私の事務所としての美学です。
カテゴリー: 建築 パーマリンク

コメントを残す