建築士と建築家

今日、東京でJIA(日本建築家協会)の会議に出席してきます。
来年東京で開催されるUIA(国際建築家連合)世界大会の準備委員会です。
日本国内で建築の国家資格といえば「建築士」であり、一級、二級、木造の3種類、また一級建築士は構造一級建築士、設備一級建築士と細分化していきます。
まことに複雑な資格制度である建築士は日本国内においてこそ、その専業性を認められていますが、残念ながら世界には通用しない。
これは日本の建築士が世界基準である建築家(アーキテクト)ではなく、あくまでもエンジニアとしての資格だからです。
建築は単なる技術の産物ではなく、そこに思想が無ければいけないという世界水準に日本の建築士制度が達しておらず、世界からも認められていないのです。
 
もちろん日本でも世界で活躍する著名な建築家は何人もいます。
その多くは海外で建築家の称号を得ているでしょう。
しかし、日本において建築家という国の定めた称号は無く、海外で取得する以外はいわゆる自称建築家というなんとも中途半端なポジションです。
自称建築家では仕事ができませんから、しょうがないのでエンジニアの資格である一級建築士を取得している人が(私を含め)ほとんどでしょう。
 
日本国内において建築家としての基準を定めているのはJIA(日本建築家協会)のみですが、残念ながらまだ国認定資格にはなっていません。
一方、世界の建築家の職能団体としてあるのがUIAであり、JIAはその日本支部もつとめています。
この世界水準にもっとも近い建築家団体JIAがUIAの世界大会を東京に誘致した事はとても意味が深いことだと思います。
JIAは建築家という称号を国に求めて活動を続けていますが、UIAの世界大会が東京で行われる事は大きな弾みになる事でしょう。
世間を騒がせた耐震偽装も建築士がエンジニアであるがため起きたとも言えなくは無い。
日本にももっとプライドを持った建築が必要です。
JIAがもっと認知されて、自称建築家ではなく名実供に建築家として活躍できる場をつくりあげる。
まずは世界に認めてもらうUIA世界大会。
私は今回からの出席となりますが、どんな話が聞けるのか。
また、帰ってきたらご報告したいと思います。
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