しろあり

今ぐらいの時期になるとシロアリの話題が必ず出る。
家の周りに羽蟻の羽がいっぱい落ちていたとかだ。
シロアリも暖かくなり次の住処を求めていっせいに飛び立つのが今時分の気候で、普段見ないシロアリを我々が認識するのもその頃と言うわけだ。
 
10年くらい前に友人の家を設計したが、その友人が電話をかけてきた。
ちょっと相談があると言う。
彼が来て私に見せたのは羽蟻だった。
形からして「ヤマトシロアリ」のようだ。
この蟻が数匹、浴室にいたと言う。
私はシロアリ駆除の専門ではないので良くわからないがユニットバスなので床下から上がるとしたら排水溝くらいしかない。
いきなり業者を呼ぶのではなく、心配なら床下にもぐってみてはどうかと助言した。
そしたら床下はカラカラに乾燥していたそうだ。
シロアリの形跡など微塵も無かったと安心したように電話をくれた。
 
実は先日、家庭菜園をやっていた際、基礎脇に生えていた雑草を根こそぎ抜いたら基礎に蟻道を見つけた。
シロアリは水が無いと生きていけない。
身体が乾燥すると駄目なので、基礎を上がる時は体液をだしてトンネルのようなものを作るがそれを蟻道という。
我が家もシロアリかと思い、床下にもぐったが我が家もどうやら被害は無かったようなので安心した。
 
そんな話をネタに昨日は夜まで友人たちと自宅で飲んでいた。
もう一人の友人も玄関前に羽蟻が沢山居て奥様が心配したので外壁をはいで確認したが問題なかったという話をした。
この家も以前私が設計したものだ。
 
シロアリにせよ害虫が生きるためには空気と食物と水が必要だ。
空気はどこにでもあるし、家も基本的には食物だ。
工事過程で木の切りかすを床下に放置するようなずさんな施工の場合は、もっと美味しい食物を与えているようなものだ。
あとは水分ということになる。
心配なのは先の地震で外壁にひび割れなどが生じ、その部分から雨水が入り込んでいたりすると水の供給源となるから問題である。
それ以外は排水管などが何らかの原因で敗れない限り心配ない。
特に私の設計は床下も屋内と同じ環境とするので、床下に湿気が篭らないようになっている。
 
とりあえず、私の家を含めてすべて被害にあっていなかったことに安堵して深酒をしてしまった。
 
 
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