人いろいろ

ようやく最初の山場のオープンハウス3日間が終わりました。
さすがに疲れた。
普段、こんなに真面目に仕事することありませんから。
お菓子を毎日増量しても足りませんでしたから、その減りようから推測するに200人弱の来場はあったと思われます。
(アンケートなんて無粋な事をしないので数の把握はお菓子の減りようでしか判らないのです)
昨日も前向きな話をいろいろ聞かせてもらい、楽しかったです。
そうした人たちがもう一度今度は空いている平日にでも来てくれると、仕事に結びついていくのでしょう。
それにしても流石にいろいろな人が来てくれました。
30年ぶりの同級生とかがチラシで名前を見つけて来てくれたのは嬉しかったですね。
それがまた妻の仕事のお客さんだったりしてビックリです。
ちいきの芸術家のコラボ住宅ということで、地元で活躍する陶芸家の先生とかも遊びに来てくれました。
老若男女ほんとうに様々なジャンルの人がノボリも立てない不案内なオープンハウスを探し当てて来てくれてありがたいことです。
 
いろいろと言えば、人の価値観も本当にいろいろです。
建物を一通り見て頂き、リビングでとっておきの風景を眺めながら音楽とコーヒーとケーキを楽しんでいってもらうというのが今回のオープンハウスの趣向です。
間もなく子供も生まれるであろう若夫婦にどうですかとお話を聞くと感想よりも先に幾らかかったかという質問。
建物はいつでも条件が違うので価格を比べることはあまり意味が無いのですが、とりあえずお答えすると「バカバカしい、建物にそんなにかけるなんて」だそうです。
飯を食って寝て起きるだけにお金を費やすのは無駄なことと持論を展開し、競馬が趣味とおっしゃるので話を向けるとうれしそうに「今は携帯電話で馬券も買えるんだ」と説明してくれました。
趣味の競馬には一体幾らつぎ込んでいるのでしょう?
家だけで人生を語ることは出来ませんし、もっと重要なことはいっぱいあると思いますから、それに意見することは出来ません。
しかし、建築を実践するものとしては子育て環境はもう少し考えて欲しい。
環境が及ぼす影響は結構あると思うのです。
「パパの作った家はかっこいいねぇ。」と言ってくれる夏樹で本当に良かったと思います。
「宝くじが当たったらこんな家に住みたいわ。」とケーキをパクつく奥様方だって住まう環境への意識はある訳ですから設計者としては嬉しいですが、住環境なんて無意味と一括するお客様(たぶんお客様にはならないでしょうが)は何でわざわざここに来たのでしょう?
 
「内断熱と外断熱はどっちが良いのか」と唐突に質問してくる熟年夫婦も居ました。
話を聞くと現在業者さんと新築計画が進行中だそうで、その業者さんは内断熱がベストだと押し切られるのですが、最近TVCMでは外断熱ブーム。
自分で調べてもどうもそちらのほうが良さそうだが素人なので良く判らないと言うのです。
断熱方式よりもどんな住まい方を望まれているのかが重要だと思いますよと言っても理解してもらえません。
計画が進行中ならばその契約した業者さんを信じて共に家作りをするのが一番幸せだと思うのですが、どうも疑心暗鬼に陥っているご様子です。
これは多分建築業界が悪いのでしょうね。
断熱だとか耐震だとか、そんなのは本来施工側がきちんとすれば良いだけで、どうやってその人の人生の自己実現をお手伝いできるかが重要です。
それをいたずらに煽り、また自分を肯定化するがために他のやり方を排他的に攻撃する。
これでは作り手は溜まりません。
楽しいはずの家作りがその本質から外れた部分だけで議論され創られていくのは本当に悲しい話です。
「ますます判らなくなったわ」と言って帰ったご夫婦はしばらくはジプシーのように他の工務店を彷徨うのでしょう。
 
さあ、今日からはのんびりと昼からオープンハウスで過ごしたいと思います。
新規でいらっしゃる方は少ないと思いますが、この3日間で来てくれた人が再び遊びに来てくれるとうれしいなぁ。
今日も美味しいケーキとお茶をご用意してお待ちしております。
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