電力新プランに踊らされないことです

今年もいよいよ夏日という予報が報じられる季節になってきました。
原発稼動の為のデマなのか、真実なのか、何を根拠にしたら良いのか判りませんが、またしても節電の夏です。

電力が足りないといっても終日足りないわけではなく、消費電力のピークは午後の数時間だけ。
東電、関電が出してきた新料金プラン「ピークシフトプラン(ピーク抑制型季節別時間帯別電灯)」は時間別に最大6倍の価格差をつけることでピーク時の電力抑制を狙ったものですが、勝手に電力単価を値上げしといて、昼間は企業向けだから、個人は夜だけ使えというのも随分身勝手な言い分だと思いませんか。

実はこのプランのメリットは消費者にはほとんどありません。
原発事故以前から電力消費のピークは電力会社にとって頭の痛い問題でした。
ピーク時に備える為に過剰な発電設備が必要だったからです。
原子力発電は国策、利権が絡み合い、24時間安定した基本発電として、ピーク時には化石燃料による発電をするというのが理想とされてきた。
今回、国内全ての原発が停止し、いよいよそのほとんどを火力発電に頼らざるをえなくなってのピークカットということですが、消費者がこの新プランに乗ってくれたら以前から懸案だった発電の平均化が行われることになり電力会社は経費削減で大助かりということですかね。

一方、夜間の利用が徳と考える庶民の夜型生活は拡大することでしょう。
すると結果的に夜間の使用電力は増加する。
夜は照明が必要ですし、都市部の熱帯夜でエアコンはフル稼働、夜型生活者のためにTVやエンターテーメント需要も増えていくかもしれない。
むしろ消費電力は増えていくと思います。
昼間ピーク時の電気料の1/6だといっても、その気になって消費すれば結局支払い金額は増えるのです。1/6といっても値上げする料金と比べてですしね。

昼間のピーク時の必要電力を確保する為に原発リスクを受け入れるか、それとも電気料の値上げを甘んじて受けるか、それとも庶民はねずみのように夜間活動しろみたいな選択を突きつけられている状況ですが、いずれにせよ、化石燃料の価格変動のサーチャージは利用者負担ですし、原発再稼動なら今までどおりの利権が守られ、反対されても料金値上げと消費電力の均一化と消費電力の拡大で、どっちに転んでも電力会社の利益は確保される訳。

原発の再稼動か経済的負担しか選択肢は無いのかといえばそんな事はない。
いつも当事務所で提唱している「日の出と供に起きる」運動と「TVはリアルタイムで見ない」運動、「遮熱」の3つで十分乗り切れます。
高い電気は買わないのが一番利用者サイドにとって有効な手段なのです。

新・森の生活 」プロジェクトが提唱してきた内容こそが一番効果的であることをまたしても確信しています。

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