煤払い(すすはらい)

今日12月13日は煤払い(すすはら)の日だそうです。
一年間家のなかに溜まった煤と一緒に厄を払う慣わし。
我が家もずいぶん煤や埃が溜まったなぁ。
これじゃぁ正月を迎えることも出来ない。
今日はもう遅いから、明日にでも家中の煤払いでもしましょうか。
毎年、大晦日直前になってバタバタしているからね。
こんな年ですもの、早めに済ませて、余裕を持って新年を迎えたいものです。

煤といっても殆ど火を使わない現代。
どちらかというと埃払いがメインでしょうか?
我が家の大掃除というともう一つ、真鍮磨きがあります。
以前にもどこかで書いたと思いますが、私の設計に必ず出てくる素材の一つ、真鍮。
真鍮は最初こそ金色に輝いていますが、空気に触れると酸化して黒くくすんでしまいます。
これを私の事務所では「家の砂時計」と称し、真鍮がくすんだときが家の大掃除のしどきとクライアントに説明しています。
真鍮を磨くと共に、床のワックスをかけたり、換気扇を掃除したりするとちょうど良いサイクル。
でもなかなかやってもらえませんよね。
先日もあるお宅から、玄関ドアの調子が悪いという連絡が入り見てきましたが、クレーム部分は調整してもらえば何とかなりそうですが、それよりもそのお宅のためにデザイン製作した一品ものの木製玄関ドアが竣工以来メンテナンスされた感じがしない。
以前お会いしたときにもメンテナンスの方法をお話しているはずなのですが。
木製玄関ドアの表面はワックスがまったく効いておらず、カサカサの状態で、このまま放置すればやがて近い将来にはドアは壊れてしまうでしょう。
メンテナンスと言っても、たまに油分を表面に補ってやるだけなんですけどね。
最近ではかなり活躍している若手木工作家に依頼した一品ものの玄関ドアです。
メンテさえしっかりすれば100年だって持ちこたえる。
でも作りかえるとなるとそれなりの金額は必要になります。
メンテナンスならほんの数千円で済むのに...

せめて歳時記に合わせて、師走の今頃「煤払い」と一緒に大掃除なんてどうでしょうね。

メンテナンスフリーが消費者に受けが良いようですが、子供も家も手間を惜しむとろくなことが起きません。
世の中の長命建築は全てメンテナンスによって耐えています。
日本人はそろそろ使い捨ての家から脱却する時期だと思います。

FORUMのHPに政策研究大学院大学の松谷明彦先生の興味深い提言を掲載しておきました。
急激な人口減少と高齢化がもたらす日本の未来-「崩壊か明るい未来か、いま選択の岐路に立つ」
http://j.mp/guMY86
ここまで読んでいただけた方は是非、続けてこちらもお読み下さい。

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