ダイレクトゲイン

自給自足なんていうと、なんだか世捨て人のような生活を想像してしまいますが、そんなことはありません。
私が「新・森の生活」プロジェクトで推進しているのは街というインフラを最大限利用し、ダイレクトゲインの高い住まい方を実践するということ。
「ダイレクトゲイン」というとすぐ工務店や設計事務所は「太陽光の集熱システム」などのパッシブソーラー(太陽エネルギーの受動的利用、反語としてはアクティブソーラー)といった狭義の解釈をしちゃうけど、正しくは「直接的利益」ということです。
 
私たちの日常生活で考えたらわかり易い。
例えば私たちが野菜を得る為に、多くの人はスーパーでお金を出して買ってくると思います。
一見当たり前のように思えるけど、結構道のりが長い。
私たちはどこかの会社に帰属し、そこで労働を提供する事で給料を得ているとします。
その給料から野菜を買うわけですが、これは実はとてもエネルギー効率が悪いのです。
私たちの労働力を100%として考えると、会社の利益を引かれて支給されるのが給料で、多分50%前後までエネルギーは下がってしまいます。
一方、農家から出荷された野菜は流通過程の中で200%~300%位まで値段は上がってしまうでしょう。
つまり私たちの労働エネルギーを半減させて貨幣に変換し、高い商品を買わなければいけない訳です。
(もちろん効率とかもあるので単純比較にはなりません。あくまでも概念ということで)
 
ところで朝一時間早起きして家庭菜園をするとどうでしょう。
自分の労働の100%が80%位の効率で収穫という形に変換されるでしょう。
これが「ダイレクトゲイン(直接的利益)」。
あるNGOのHPで一人分の野菜を供給するのに必要な作付面積はわずか5㎡と報告されています。
4人家族でも20㎡(6.5坪)。
都市部で20㎡の貸し農園も近くにはないし、お金も無いと言われるかもしれません。
これを建築的に解決すると空中菜園となるわけ。
たとえ30坪の敷地でもおそらく建築面積は21坪程度あると思いますし、それはイコール屋根面積となります。
日当たりが悪いと嘆く家でも大抵、屋根には太陽光が降り注いでいる。
だったら屋根を空中菜園に利用してはいかがでしょう?
ガソリンも使わず、ちょっとした野菜は自給できますよ。(我が家で2年ほど実践済み)
 
まあ、これはダイレクトゲインの1つの例に過ぎません。
「新・森の生活」プロジェクトはただ消費するだけの住宅から直接的利益を得る事の出来る住宅へ、その方法をお伝え実践するプロジェクトということです。
カテゴリー: 新・森の生活 パーマリンク

コメントを残す