常用漢字

昨日、常用漢字表の改訂作業を進めている文化審議会漢字小委員会は、昨年11月にまとめた改訂案(2136字)について、字種の変更をしないことで合意したという報道が成されました。
これにより多くの人が意見を上げていた「碍」の字は見送られる事に。
「碍」はこのブログでも何度か取り上げた漢字で、「さまたげとなる」という意味。
一方同じ音の「害」は「悪い結果や影響を及ぼす物事」。
近年、障害者に使われる害という代用漢字を元に戻そうという運動が広まりを見せ、今回の改訂作業でもともとの漢字「碍」が復活すると期待をもたれていただけに残念です。
漢字の文化は象形文字に源流があり、文字そのものが意味を持ちます。
その分、漢字の数は多いわけですが、それが多すぎるということで戦後、当用漢字1850文字が決められました。
当時の背景は複雑で、敗戦の原因は漢字が多すぎる事に起因する。勝戦国のアルファベットはたったの26文字だとか、漢字文化は軍国主義だとまで言われていたようです。
そうした表音主義者の台頭で、漢字の表音化が進むことになるのですが、その際、当用漢字から外された「碍」の字は音が同じ「害」を代用漢字として当てられることになったとか。
その後、当用漢字は常用漢字に引き継がれましたが、まだまだ表音主義的な面は否めません。
 
私が考えるに漢字はあくまでも音ではなく象形文字の延長。
同じ音の「はし」だって、頭の中では「橋」「箸」「端」といった具合に漢字に変換して意味を理解しています。
障害者と障碍者ではやはり私達の受け止め方は違うと思うのです。
今回の見送りはとても残念に思えます。
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