旅のかたち

先ほどまで激しく降っていた雨がようやく止み、雲の切れ間から青空が覗いてきました。
あれほど激しかった猛暑も祭りの後のように静まり、今朝などは窓の外の揺れる木々を見るとまるで晩秋か初冬の風景。
10日程前と比べると10度も気温が違うのですから驚きです。

先日、オートキャンプの取材オファーが舞い込みましたが、私の予定が10月前半まで埋まっており、取材を受けれるのが締め切り間際の10月16日となりました。
ここ数日の天候の乱れ方を見ると、取材日もどんな天気なのか不安になります。
もしかしたら紅葉真っ盛りになっているでしょうかね。

さて、今回取材を受けるに当たり、自分の旅とはどんなものなのかを改めて見直す機会が出来ました。
するとどうやら大きく二つの形態に分かれることが判りました。
それはPackerとCamp。
私が若い頃に流行ったのがBackPacker(バックパッカー)。
背中に大きなリュックを背負って自分の足で旅をするというものです。
必要最小限の装備、自己責任で自分探しの旅をするというのに憧れましたね。
私の「青春18きっぷ」の旅はそのなごりみたいなもの。
毎年家族で出かける建築視察旅行もこれですね。
その後、雑誌Be-Palの創刊とバブルへ向かう右肩上がりの日本経済を背景にAutoCamp(オートキャンプ)時代に突入します。
私も車にコールマンのキャンプ道具を詰め込んでバブリーなキャンプを楽しみました。

PackerとCampですが、建築家的に考察するとどちらも居場所探しの旅。
居心地の良い場所を見つけたら椅子をひとつ置いてみる。
沸かしたてのコーヒーをすすりながら椅子に座っているだけで最高の居場所が出来ます。
では違いは何かというと、そこに拠点をつくるかつくらないか。
Campはそもそもラテン語で「平ら」という意味だそうです。拠点を作るには最高の場所であることから拠点作りに派生したのだとか。
ですからPackerは拠点をつくらない居場所探しであり、Capmは拠点をつくる居場所探しということになるのかもしれません。

で、私のもうひとつのブログ「エディックス旅仕様」ですが、やはりPackerとCampの二つが混在していることが判ります。
我が家の夏の旅行、今年は四国の旅でしたが、あれは言うなればAutoPacker。
自分で荷物を背負う代わりに車に背負わせてる。
車はハードテントとして機能していますが、決して拠点は作りません。
宿泊地は大抵の場合、高速道路のPAか道の駅。
こうした公共の駐車スペースを利用するのに、幅はばと店を広げては周りに迷惑になりますから控えめにしなければなりません。
お湯を沸かしたりもしますが、それはリアハッチを跳ね上げる程度で、傍から見ても休息しているくらいにしか見えない。
重要なのは寝る場所ではなく、旅の途中で見つける素敵な居場所であり、出会いなのです。

一方、お盆に行った笹川流れなどはAutoCamp。
しっかり場所代を払って、所定の場所にテントを張りました。
まさに拠点づくりであり、いかに最小限の道具で快適な環境を作れるかが楽しみのひとつになります。
入念に配置を考え、時間をかけての設営はそれそのものがイベントである訳です。
出来上がったキャンプベースはまさに別荘。
そこでゆったりくつろぐ居場所が出来上がります。

今回取材を受ける雑誌「カーネル」は「カー(車)ネル(寝る)」の語呂合わせでしょうから、いわゆる車中泊がテーマ。
AutoPackerもAutoCampも車はハードテントとして利用するので車中泊には違いない。
取材者はどちらのスタイルを取材対象にしているのかなぁ?

最近問題になっているのが道の駅やパーキングでオートキャンプをやっている人たちです。
周りの迷惑を考えない少数の人たちのおかげで、車中泊禁止の場所も多くなってきました。
ブームは嬉しいのですが、こうしたスタイルを確立できていない中途半端な旅人が増えると嫌ですね。
AutoCampしたいのならキャンプ場に行く。
AutoPackerはその身軽さこそが良いのであり、その機動力を使って旅の感動を得る。
この辺を取材の中で発信できたら良いのかななんて考えています。

せっかくの取材ですから、今回はAutoCamp。
カヤの平高原キャンプ場なんかどうかなぁ?
すぐ近くにお勧めの温泉「馬曲(まぐせ)温泉」もあるしねぇ。

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