TV離れしよう

上手に情報を選択できず、ただ膨大な情報の海に翻弄する現代人。
その原因がTVである。
TVが家に入り込んできたのは昭和30年代初期である。
その頃は本当に情報が少なくて、TVは魔法のような箱だった。
魔法の箱からは世界を見ることが出来た。
だから魔法の箱は家の一番良い席が与えられ、うやうやしく観音開きの扉が付いていたり、布が被せられており、神棚の様だった。
あの頃のTVは確かにすばらしかったと思う。
 
しかし、現代のTVはどうだろう?
確かに良い番組もあるが、それよりも圧倒的に世の中の醜い部分を映し出す悪魔のような機械だ。
人間の欲望をどうやって駆り立てようかとプログラムされた番組構成。
それに簡単に引っかかる視聴者。
TVを少し生活から離すだけでどんなに豊かな生活になることだろう。
しかしながら現代の家で未だにTVは家の一番良い席が与えられている。
発想的には昭和初期から進歩していない。
一方、我が家ではTVはかなり虐げられている。
普段視聴用のTVは最近流行の大型液晶ではなく、小さなポータブルTVで、ラジオのような扱いだ。
しかしNHK特集のように大画面で見たくなるような映像のときや映画はリビングのプロジェクターで見る。
プロジェクターで見るためにはスクリーンを下ろさなければならない。
いろいろな段取りがあるので面倒くさく、本当に見たいプログラムじゃないと見ない。
普段、視聴用のTVも壊れたら買うのをよそうと思う。
プライベートでの情報源としてなら携帯のワンセグで十分だからだ。
これでTVを家の一番良い席から引きずり落とすことができる。
TVはとても楽しい発明だが、それも使う人間次第。
少なくとも、TVを家の上席に据える設計をする建築家には成りたくは無い。
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