折鶴

昨日はウィーンからブダペストへの移動日。

予約したEC(ユーロシティ:国際長距離列車)は西駅を11時52分に出る。

それまで少しの時間だけウィーンの街を歩くことにする。

昨年の旅行のときはワーグナーの郵便貯金館へ行ったものの営業時間が終わっており、中に入れなかった。

そこで今回は営業が始まる早々に到着し、中に併設されているミュージアムも見学する。

二年越しでの視察だ。

当時のコンペ図面も展示してあったが、いかにワーグナーのそれが当時異質であったかが良く判る。

その後、シュテフォン寺院へ移動、妻の希望でデメールという高級菓子屋に行き、お土産を購入した。

王宮を通り抜けリングへ、トラムD線でホテルに戻る。

私の旅は大抵、前回訪問した1都市を組み込むことにしている。

1回目の訪問では、とにかく必死に歩き回り、土地勘をつける。そうすると2回目での余裕が違うのだ。

今回のウィーンもわが街のように効率よく自由に闊歩することが出来た。

ホテルでチェックアウトし、トラム18号線で西駅へ移動。

ECはすでにホームに着いていた。

今まで乗った列車に比べ、驚くほど古臭い車両だった。

指定されていた車両は一番後ろで、私たち以外の座席はほとんど予約されていなかった。

列車はいつものように、定刻で音もなく静かに出発した。

4時間弱の旅である。

結局、私たちの乗った車両は私たちのほか数組の乗客しか居ない、ほぼ貸切状態であった。

昨日のザルツブルグへの車窓の風景と違い、なんとも殺伐とした風景が続いた。

スーパーで買ったビールと朝食のときに作っておいたサンドイッチで軽く昼食を済ませ、夏樹と最後尾へ行く。

流れ去る線路と風景が面白かった。

眠くなり私と妻はウトウトし始めたが、夏樹は変わらず元気である。

誰も居ない車両内を動きまわっていた。

私たちの後ろの席にラテン系であろうカップルが座っていたが、どうも夏樹は彼らに興味があるらしい。

妻が昨日のように鶴を折ってやると、夏樹は女性のほうに持っていった。

折鶴は最強のコミュニケーションツールである。

紙の造形にどの人も感動してくれる。

夏樹の暇つぶしに持ってきた折り紙がこんなところで活躍してくれるのは面白い。

飛行機では絶対に無いであろうコミュニケーションが列車にはあるようだ。

夏樹は1時間くらい、彼らに遊んでもらったようだ。

今回の旅はいろんな人との出会いがあって良かった。

車窓から見える風景は相変わらず色の無い殺伐としたもので、なにやらロシアっぽい感じがした。

やがてブダペスト東駅に到着。

ブダペスト東駅は見事で、なにやらハリーポッターに出てきそうないかにもヨーロッパの駅という感じ。

プラハ中央駅とは比べ物にならない。

今回も予約したホテルは駅前である。

列車で旅するときは駅前にかぎる。

3時にチェックイン、1時間ほど私はインターネット、妻は洗濯をする。

4時になるとすっかりあたりが暗くなり、旧市街にくり出すのが面倒くさくなった。

夏樹も疲れ果てて寝てしまったのでホテル周辺で買出しをして、部屋でゆっくりくつろぐ。

残された一日を効率よく使うために作戦を練りながら、ビール、ワイン、パブリカチキンで妻と酒盛りだ。

さて、今日も早くから起きてブログを更新している。

ブダペスト2泊とはいうものの、明日は11時半のフライトなので8時前にはホテルを出ないといけない。

楽しい旅も早いもので、今日一日を残すばかりだ。

さて、朝ごはんを食べたら街に繰り出してきます。

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