外より内-燕中等教育学校を支援する会 教育講演会

昨日、燕三条リサーチコアで燕中等教育学校を支援する会が主催する教育講演会が開催され、夫婦で聴講してきました。
演題は「学力向上に向けて~学校との連携、そして家庭の教育力をどう高めるか~」
講師は「秋田の子供はなぜ塾に行かずに成績がいいのか (講談社プラスアルファ新書)」の著作で有名な秋田大学教育文化部教授で秋田大学附属小学校校長の浦野弘先生。

大変気さくな方で、ぐんぐん引き込まれる講演でした。

1950年代最低だった秋田県の学力は教育委員会を中心に「不易と流行」の精神で教育改革に挑み、2007年には見事全国トップに躍り出ます。

当初言われていたのは経済的格差が学力格差に結びついているのではないかということ。
しかしながら、現代においても沖縄や秋田・青森は所得水準が低い。
秋田県が学力テストでトップになることで、教育の高さは所得水準とは直接的には関係ないと実証されたわけです。
では、どこが躍進の秘けつだったのか?
今回参加している人はこの部分を聞きたくて集まっていたといっても良いと思います。
ところが先生は「秘けつなど何もありません。日本の伝統的な当たり前の学習環境と生活環境をつくってやっただけ」とさらりと流してしまいます。

では当たり前の学習環境と生活環境とは何でしょう?

・学校の授業に集中する
・家での授業の予習・復習をしっかり行う
・早寝早起き
・毎日朝食を食べる

だそうです。
確かに当たり前といえば当たり前。
これが秋田教育委員会が打ち出した不易(いつまでも変わらないこと)の部分。

そして最初の項目は学校の責任、それ以降は親の責任だそうです。
教育環境はむやみに学習を詰め込むことでは無く、環境・仕掛けづくりなのだと説きます。
当たり前ですが、早寝早起きして朝食を食べたから頭が良くなるわけではありません。
そういう節度のある生活習慣をつくってやれない親では子供の学力向上は望めないということ。
まったくごもっともですね。

そして流行の部分ですが、
教職員の指導力向上、学校長の経営力の強化をかかげ、少人数制クラスによる一人ひとりに目の届く学級を取り入れつつも、肝心な所ではクラスの垣根を外してベテラン教師が指導する柔軟な授業形態や先生によるほかの先生の授業聴講を行い教師レベルを上げるなど実行しています。
面白いのは誰でも参観日と称して学校を地域に開放し、該当する子供が居ない人にも学校が何をやっているか関心を持ってもらうという試み。
環境づくりには学校と親だけではない地域の役割も重要であると言う事ですね。

1時間半の講義では全然時間が足りず、あとは本を買って読むしか無いかなということで、こちらもアマゾンにて購入いたしました。

それにしても参加者や主催者の熱意を感じる会場でした。
浦野先生が実践しているのは幼・小・中一貫教育で現在三条が進めているものに近いんですがねぇ、どうも三条市ではこういう学校と家庭の連携で子供の教育環境を一緒につくりましょう的な話し合いが無く、むしろ役所や教育委員会と親が対峙しちゃってる。

校舎問題はなし崩し的に一体校へと大きく舵をきったようですが、そろそろどういう魅力的な教育システムで子供達の学びの仕掛けづくりをしてやるのか、またその為に家庭や地域はどう関わりあうのかを話し合ったほうが良いですね。
燕は市役所も学校も家庭も一緒に頑張っているし、地域産業界もその存亡を子供達の教育に掛けているようすが熱く伝わって来ましたよ。

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