今年も農作業が始まるが...

福島第一原発がこれからどういう形になっていくのかさっぱりわかりません。
最善をつくした場合でも燃料集合体が安定する温度になるためには3年くらいかかり、その間東電や国がいうところの「すぐにどうなるというわけではない」放射能を出し続けるらしい。
スリーマイルより悪いと言われる今回の事故ですが、スリーマイルでも10年間かけてようやく終息したのですから、今回もそれくらいの時間を想定していたほうが現実的です。
問題は仮に10年としたときに、この時間の長さはすぐなのか長期的なのかというところ。
頭の良い人たちなんだろうから、せっかくある時間の尺度を使って説明してほしいところです。

いよいよ農作物や水などに放射能の影響が出始めました。
これは原子力事故が起こった段階から想定はされていたところ。
近隣の土壌汚染は相当なもので、幾ら御用学者達が半減期の話を持ち出しても、常に原子炉から放出しているのだから意味が無い。
放射性ヨウ素は10年間、セシウムに至っては半減期が30年ですから10年間この状況が続けば半減するのは40年後、問題が無くなるには1世紀も必要になることに。
原子力発電所近郊の農業はもうダメでしょうが、100キロ以上離れた場所でも汚染が進んでいるというのは恐怖です。

新潟県の隣県までが農作物の出荷制限区域ですから、水際ですね。
水質に関しても福島から繋がる阿賀野川、群馬から繋がる信濃川からは微量ながら放射能が検出されています。

さて、妻の実家はまだ雪の中ですが、そろそろ田植えの準備を始めます。
まずは籾(種)を育苗箱に蒔いて苗作りです。
通称「へぎ」と呼ばれる育苗箱を倉庫から降すので手伝いに来て欲しいという依頼が来ています。
この日曜日はへぎ下しです。
厳しい寒暖差と五十嵐川水系のきれいな水で育つ「こしひかり」は大変美味しいのですが、これが放射能汚染されるようなことがあったらどうしようと気がかりです。
西高東低の冬型の気圧配置と越後山脈が今は放射能の塵を防いでくれていますが、春は南風、夏から秋の最多風向きは北北東となり福島第一原発の風下となってしまう。
また暑い時期だというのに窓も開けて眠れないのかと思うと今からストレスです。

幾ら補償をすると言っても限界があるし、汚染された土壌が回復するまで私たちが生きていられるのか?
まさに原発周辺の農家はこの問題に直面しています。
せっかく手塩にかけて育てた作物が汚染されているなんて耐えられないでしょう。

そして消費者にも大打撃。
国内受給率が下がれば価格に跳ね返ります。
TPPで海外からも多くの農作物が入るでしょうから一見何とでもなりそうですが、それはあくまでも短期的なものでしょう。
また、大手商社が原発事故の一報を受けて中国農作物の買付けに走ったという報道がされていますが、こちらで忘れてはいけないのが農薬汚染。
中国の高所得層は自国の農作物ではなく、今までは日本からの輸入農作物を食べていたくらいですからこちらの食の安全も解決してはいません。

心配事は尽きませんが、そんな気持ちとは関係なく今年も農作業が始まろうとしています。

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