芥川賞

第144回芥川賞が発表されました。
受賞したのは朝吹真理子さんの「きとこわ」と西村賢太さんの「苦役列車」。
今回の受賞者は面白い対比を見せていますね。
朝吹真理子さんは1984年東京都生まれ。慶應義塾大学前期博士課程在籍。
親族も名だたる人ばかりで、父親は詩人で仏文学者、曾祖父は共に実業家と衆議員議長を務め、叔母さんには翻訳家やシャンソン歌手もいるというまさにサラブレッド。
片や西村賢太さんは1967年東京都江戸川区生まれ。市立中学校卒業。正規の職歴なし。現在までフリーター等で生計を立てる。というまさに現代の底辺を支える層。
極めつけは父親に前科があると言わなくても良かろうに本人が受賞のインタビューで暴露していました。
あくまでも個人の受賞であり、それ以上でもそれ以下でもないとは言うものの、現代の二極化した日本をそのまま表したような二人です。

マスコミの興味はやはり西村さんに向いているようですが、それは一般的に言われる負のスパイラルから突如としてスターダムに登ったような印象から。
実際には過去に様々な文学賞でノミネートされており、サラブレッドと称される朝吹さんよりもずっとキャリアがある。
やはり負のスパイラルから脱出するためにはそれなりの努力がなければ到底成しえないということ。
また、朝吹さんも確かに環境は整っているとは言うものの、それだけでは受賞にはたどり着けないのは当たり前。
マスコミに踊らされてシンデレラドリーム的な捉え方をするのではなく、しっかりと本質を見ることが重要です。

日本人の二極化は由々しき問題ですが、それは別にカースト制度のような超えられない身分制度ではありません。
いつでも何処からでも負のスパイラルを反転する事は可能であるというのを示したのが今回の芥川賞ではないでしょうか。
早く我が身の置かれた現状に気付けということですな。

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