40過ぎたらとたんに老化現象が自分にも現れ始めた。
いつも若いねぇと言われていただけに、自ら老化を感じるのは悲しいものだ。
老化はまず目から訪れるというが、まったくその通り。
4年位前に上野の美術館に行った時のこと。
それまではコンタクトを付けていたのだが、たまにはおしゃれなめがねでも買おうということになり表参道のZoffという店で眼鏡を購入した。
その眼鏡をかけて美術館に行ったのだが、絵画の説明書が良く見えない。
それまで私は近視で乱視だったが、近くの文字が読めないということは体験したことが無かった。
というよりついさっき眼鏡をかけるまでは見えていたと思う。
思わず眼鏡を上げて読んだら良く見えた。
ちょっと待てその格好って....妻が冷ややかな視線を投げかけた。
コンタクトは眼球に密着するので結構アバウトらしい。
それに比べ眼鏡は視点がしっかりする分シビアなんだとか。
だからいきなり現実が突きつけられたわけだ。
老眼を意識し始めてからやたら眼鏡の置き場所がわからなくなった。
次は痴呆(認知症)かと真剣に悩んだが、悩んでいるうちはただの物忘れだと慰められた。
老眼と近視はなかなか共存できない。
近くを見ようとするとどうしても眼鏡を外す。
眼鏡を外しても運転でもしない限り、然程障害は無いのでついそのまま生活してしまう。
結果として眼鏡をかけたいときにどこに行ったかわからなくなってしまうのだ。
一度、頭の上に眼鏡をかけて、一生懸命眼鏡を探していたことがあった。
漫才じゃないんだから笑えない。
去年のクリスマスに再びZoffに行く機会があって、新しい眼鏡を購入した。
遠近両用はどうかと店員に尋ねたら、遠近両用はレンズが大きくなるのでデザインが限られるそうだ。
いまどきアラレちゃんのような眼鏡も流行らないからどうしようと考えていたら、今の眼鏡より近視の度を下げてはどうかと提案された。
要は近視と遠視の差をどういう風に両立させるかということなので、近視の度を下げればそれだけ相対的に遠視にはやさしくなるということなのだ。
前に買った眼鏡は眼鏡着用で1.2の視力だったが、その分近くが見えなかった。
で、今回は運転免許が取れる0.7まで弱めた。
するとどうだろう、手元が眼鏡をつけていてもちゃんと見えるではないか。
これで問題解決と思っていた。
ところが私の老化はどんどん進行するようだ。
最近また眼鏡を置いた場所がわからないことが増えた。
つまり、眼鏡を外す機会が増えたということだ。
老眼はどんどん進行する。
歳は取りたくないものだ。