緊急地震速報

昨日、緊急地震速報の住宅への普及のための勉強会があり出席してきた。
緊急地震速報とは気象庁が平成17年より行っている新しい地震速報システムで以前もNHKで特集されたのを見た人も居るかもしれないが、震源地に一番近い観測点が地震波を感知した情報をネットワーク化し、どこに何秒後にその地震波が到達するかを予測速報するものだ。
例えば東京でM7クラスの地震が起きたとして、新潟の私の家には15秒後に震度5弱の揺れが起きるとリアルタイムに知らせてくれる。
この15秒の間に火を止め、避難できる。地震そのものを阻止する事はできないが、その地震による被害を軽減できる。いわゆる「減災」である。
この情報を家庭に設置したコントローラーで受信し、HA(ホームオートメーション規格)対応の設備を制御しようという話だ。
ガスで調理しているとするなら、15秒前にガスが自動的に閉じられる。住民はそうした対策を講じなくてもよくなるから、その分避難する時間が取れる訳だ。
地震国日本にとって画期的なシステムだ。
 
驚いた事にこの速報は無償で国民に流される事は無いのだそうだ。
コントローラ本体は住民が支払い、約15万くらいの設置費用が必要だ。
そしてこの気象庁からの地震速報を受信するためのオンラインサービスには月500円~1,000円程度かかるのだという。
地震速報を得たければ年間2万円位は支払えという訳だ。
安全も金で買わなければならない。
人の命に比べたら安いものだという理屈である。
また建築業者にしてみたら「差別化」という営業ツールになる。
 
なんだか話を聞いていたらいやらしい感じがした。
国民の生命財産を守るのは国の義務だ。そのために国民は税金を支払い、法を遵守している。
こんなシステムを国民が一人ひとり用意しなければならないものなのだろうか?
こんなシステムは地方行政がやればよい。
少なくとも個人戸建て住宅で設備しなければならないというのは酷だ。
マンションのような集合住宅や工場事務所といった建物ならば話は別だが、個別住宅では「差別化」などという営業ツールとして使うのでなく、住民すべてが享受できるシステムとして議論すべきなのではないだろうか?
 
とりあえず、このシステムに理解のある特定事業者には無償で情報を提供していると言うのでそれだけは申し込んでおいた。
実際にどんなものであるかはまたの機会に報告します。
 
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