ミートホープ社に想う

「安いものを求める消費者にも責任がある」
大ヒンシュクをかったミートホープの社長だが、おそらく本音だろう。
消費者は加ト吉などのメーカーに安い商品を求め、加ト吉は下請けに価格を下げろ、下げないと仕入れないぞと脅す。
大手は価格は下げろとは言ったが品質を下げろとは言ってはいないと嘯くし、消費者だって下げてほしいのは価格であって品質ではない。
結局のところ品質を保持した状態での価格の下限は決まってくるのでそれ以上を求められたら不正を働くしかない。
下請けはそうしなければ市場から消されてしまう。
「価格を下げろとは言ったが品質までとはいっていない」というのは姉歯建築士の耐震偽装と請け負った建築会社の支店長の会話でもあった。
中国産の商品の品質の悪さ、残留農薬だって根っこは同じだろう。
 
そろそろ消費者も安いにもほどがあると言うことを認識する時期かもしれない。
安いには理由があるからだ。
昔から肉そのものよりも、その加工品であるソーセージのほうがグラム単価が安い、ということに疑問を持たない国民であることが悲しい。
良いものは高いから十分吟味して丁寧に扱わなければいけない。
安いから粗末に扱い、ごみを増やす。
反目教師で己の生活を見直すことが肝要である。
 
ところでミートホープの場合、偽装したから問題だが、長い間消費者も気がつかない混入の技術はうまく使えばすばらしかっただろう。
他の肉を混ぜてもビーフ風味で安いと言えばそれなりに買う人だって居たのではないだろうか?
鳥皮に肉まんの皮を加えて増量したというのも考えようではカロリーオフなのに鳥皮を楽しめるダイエット食として十分通用したかもしれない。
大手からのプレッシャーに負けず、それを新商品開発の原動力に出来たら今頃違った形で全国に名をとどろかせることも出来たかもしれない。
起きた事件を非難するよりも何を学ぶかのほうが重要である。
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